HIV陽性小児に対して速やかに抗レトロウイルス剤を投与する母子感染予防プログラムが導入された結果、多くのHIV陽性小児が生き残り、一部は成人へと成長した。ところが、こうしたサバイバーも感染病態が不良で、多剤併用療法への応答性が悪く、サブサハラアフリカ地域では公衆衛生学上の社会問題となっている。本研究では、タンザニア共和国のムヒンビリ医科学大学との共同研究で、垂直感染者を含むHIV感染者の前向きコホートを作り、ウイルスゲノムの解析を実施した。ウイルス学的あるいは免疫学的な特徴を明らかにすることで、母子感染を含むHIV陽性者ケアの向上につながるものと期待される。
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