法医剖検例において,死因が急性心臓死である事例を抽出して検討を行なった.対照として非心臓死群(溺死,窒息,焼死,薬物中毒)とした.免疫組織化学的にHeme oxygenase-1 (HO-1)の発現を検討したところ,急性心臓死群の78.2%において心筋細胞の核でのHO-1陽性所見が認められたのに対し,非心臓死群では24.2%においてのみ陽性所見を認めた.一方,心筋におけるミオグロビン発現および心臓への白血球浸潤については,急性心臓死群と非心臓死群の間に有意な差を認めなかった.したがって,心臓におけるHO-1発現を検討することが,致死性不整脈の診断に有用であることが示唆された.
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