日本の伝統的な食材である大豆・味噌の混餌飼料で飼育したラットにおいてカドミウム(Cd)の毒性を観察した。ラットにおけるCd 10 mg/kgの 1回皮下投与後24時間の死亡率は大豆・味噌飼料群で低く、6 mg/kg投与後の血漿GOT・GPT濃度の上昇は大豆・味噌飼料群で低い傾向が見られた。ラットにCd(2 mg/kg)を週に1回5ヶ月間皮下投与した後の死亡率は大豆・味噌飼料群で高く、尿中NAG量は大豆・味噌飼料群で低い傾向が見られた。 以上より、大豆や味噌の摂取はCdの急性毒性を抑制し、慢性毒性を増強する一方で、急性中毒の肝障害、慢性中毒の尿細管障害に対して僅かに抑制する可能性が示唆された。
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