研究課題/領域番号 |
18K19707
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研究機関 | 日本赤十字看護大学 |
研究代表者 |
三浦 英恵 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (40588860)
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研究分担者 |
神原 咲子 高知県立大学, 看護学部, 特任教授 (90438268)
石田 千絵 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (60363793)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2023-03-31
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キーワード | 看護学 / マスギャザリング / 感染症 / 災害 / 教育的介入 |
研究実績の概要 |
COVID-19は、2020年3月にパンデミックとして宣言された後、健康問題から経済・社会・地政学的危機へと急速に変化している。健康分野では、このパンデミックは病気や人命の損失を引き起こすだけでなく、健康システムの崩壊にまで広がり、他の健康問題に対する数十年の進歩をゆるがす恐れがある。COVID-19のパンデミックは、マスギャザリングに関連した健康問題とも捉えられる。また、保健分野と災害に関連する取り組みの例として、世界保健機関(WHO)が「オールハザード/ホールヘルス」アプローチという概念に基づき、世界中の地域や国を対象とした戦略を推奨している。この戦略では、ハザードの種類にかかわらず、ヘルスケアのニーズは、自然災害、社会災害、技術災害、生物災害を含むオールハザードに焦点を当てるべきであり、課題に対処する計画、早期警報、部門間の協力、避難、医療システム内のコミュニティと医療サービスの復興モデルが必要であるとしている。さらに、他の分野と緊急対策を調整するWhole-Healthの計画であることが望まれている。 以上の観点から、本年度は、仙台フレームワークの健康安全保障と健康面の実施に関する世界的なロードマップを災害看護のレンズを通して読み解き、持続可能な開発目標を達成するための効果的なアプローチを解釈することを試みた。その内容は「Disaster Nursing, Primary Health Care and Communication in Uncertainty(2022年度刊行予定)」のChapter 8としてまとめた。そして、マスギャザリング対応に必要な看護ケアの体系化の基礎資料とした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
東京オリンピックの期間中、新型コロナの新規感染者数は増加が続き、感染拡大の第5波が直撃した。東京を含め、医療体制は逼迫した。そのため、医療職を対象とした教育的介入を実施することは、困難であったため進捗に遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
医療的な逼迫状況が続く中、医療職への直接的な教育的な介入は実質的に困難である。そのため、これまでのCOVID-19への対応の知見や本年度実施した世界的なロードマップを災害看護のレンズを通して読み解くことを通して、当初の目的である「マスギャザリング対応に必要な看護ケアの体系化」を試みる。
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次年度使用額が生じた理由 |
東京オリンピックの期間中、新型コロナの新規感染者数は増加が続き、感染拡大の第5波が直撃し医療体制は逼迫した。そのため、医療職を対象とした教育的介入を実施することは困難となり、実現可能な方略を検討する必要性が生じ、補助事業期間の延長を行った。令和4年度の使用予定額は1,163,310円である。物品費60万円(WEB会議室システム維持に必要なPC・周辺環境の費用、マスギャザリング関連書籍、所望品)、旅費5万円(ハイブリッド学会等)、人件費・謝金5万円、その他46万円(学会参加費、翻訳・英文校正費、調査委託費等)の使用を計画している。
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