研究課題/領域番号 |
18K19709
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
西条 旨子 金沢医科大学, 医学部, 教授 (40198461)
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研究分担者 |
的場 宗孝 金沢医科大学, 医学部, 教授 (90288308)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2023-03-31
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キーワード | ダイオキシン / MRI / 脳領域体積 / 脳領域間結合 / 成人男性 / 周産期曝露 / 血中ダイオキシン |
研究成果の概要 |
ベトナムのビエンホア出生コホートの父親32名を対象として、脳MRI検査にて3D-T1強調画像とDTI画像を撮影し、脳領域別体積はVBM法で、脳領域間結合力FAはDTI法で解析を行った。その結果、血中TCDD濃度が増加するに従い左側頭葉の紡錘状回の体積が減少し、血中TCDDやTEQ-PCDDの増加と共に左の内側側頭葉極の体積が減少していた。血中TCDD高値群の両側帯状束海馬部分と右側の鉤状筋束のFA値が低暴露群に比べ有意に低かった。 周産期曝露が推定される男性では、左の眼窩部下前頭回の体積が低下していたが、脳全体の体積は増加していた。また、左の帯状束海馬部分のFA値が非曝露群に比べ低かった。
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自由記述の分野 |
環境保健
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、ベトナム戦争で枯葉剤曝露を受けたアメリカ退役軍人にアルツハイマー型認知症に罹患する者が多いことが報告され、ダイオキシン曝露の脳への影響が注目されている。これまでにも、小児の脳神経発達にダイオキシン曝露が負の影響を与えることが、欧米での研究で報告され、我々もベトナムの旧米軍基地周辺の出生コホートにおいて同様な報告を行ってきた。しかし、本研究では、小児には実施することが困難であったMRI検査を実施することにより、ダイオキシン曝露による脳への器質的な変化を明らかにすることができたことは、学術的に意義深く、ダイオキシンの神経毒性を明らかにする上で重要な知見を得ることができたと考えている。
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