研究課題/領域番号 |
18K19718
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研究機関 | 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所) |
研究代表者 |
天野 秀紀 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究助手 (90260306)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2024-03-31
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キーワード | 要介護認定 / 認知症 / 意欲低下 / 抑うつ |
研究実績の概要 |
データを拡張するための健診調査を予定していたが、新型コロナウイルス感染症の影響で実施できず、郵送調査のみを実施した。 既存データを用いた統計解析では、抑うつ症状の一部としては説明できない意欲低下症状と将来の要介護発生との関係を検討した。健診受診者959名 (MMSE21点以上、年齢70歳以上、平均74.3歳、女57%)を最長12年間追跡し、要介護認定発生までの時間を観測した。発生例は、その時点での認知症高齢者の生活自立度に基づき、要介護認定(認知症IIIa以上)と要介護認定(認知症IIb以下)とに分類した。健診時GDS-15への回答は、「抑うつ」:6点以上、「意欲低下」:6点未満かつ意欲低下3項目に関する得点2点以上、「健常」に分類した。MMSE得点は3水準に分類した。GDS-15とMMSEの組み合わせによる9群からの要介護認定2分類の発症リスクを、Cox回帰(性、年齢、脳 卒中既往を調整)により比較した。平均7.8年の追跡中に要介護認定(認知症IIIa以上/IIb以下)の発生は50/141件であった。GDS-15分類(健常/意欲低下/抑うつ)毎の要介護認定(認知症IIIa以上)発生ハザード比 は、MMSE27~30点では1.0(基準)/1.0/0.7、24~26点では0.4/2.1/3.6*、21~23点では3.7*/2.4/5.8*であった(*:p<.05)。同様に、要介護認定(認知症IIb以下)発生ハザード比 は、MMSE27~30点では1.0(基準)/1.3/4.6*、24~26点では1.3/3.9*/1.8、21~23点では3.9*/1.4/3.8*であった。要介護認定(認知症IIb以下)、すなわち介護を必要とする程度の認知症を伴わない要介護認定発生に関して、意欲低下と軽微な認知機能低下(MMSE24~26点)との組み合わせは予測力を有することが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の影響で、予定していた健康診査を実施できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
予定より時期を遅らせての健康診査の実施、他のコホートとのデータ統合など、発症例数を確保する方法を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の影響による。2年遅れでの実施を目指す。
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