研究課題
全身脂質代謝と中枢神経系とのクロストークの解明は、摂食や肥満の制御に向けて重要な課題である。そこで視床下部の脂肪酸栄養感知メカニズムを解明する目的で、以下の実験を行い、その成果を得た。1)マウス高脂肪食投与モデルにおいて、視床下部の毛細血管分布が変化する可能性について解析を行った。その結果、高脂肪食の長期投与によって、血液脳関門を持たない毛細血管の分布が変化することが分かった。現在、この毛細血管周囲のグリア細胞および神経細胞の栄養およびその他の外部刺激応答について解析を進めている。2)正常食で飼育したマウスに比べて、脂肪酸コントロール食を投与したマウスの視床下部では、アストロサイトやミクログリアの数や分布に変化が起こっていることが分かった。これらの変化が毛細血管のダイナミクスと関連しているのか否かについて現在解析を進めている。3)視床下部ニューロンにおけるミトコンドリア機能と栄養応答性の関連について検証を行った。ミトコンドリア電子伝達系の主要な構成タンパク質であるNdufs4欠損マウスの解析からは、視床下部ニューロンにおいて下垂体のゴナドトロピン産生を制御する視床下部ホルモン(GnRH)分泌が低下し、さらに有髄神経の髄鞘に異常が認められることが分かった(論文投稿準備中)。
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Nephrol Dial Transplant
巻: 35 ページ: 250-264
doi: 10.1093/ndt/gfz 126..