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2019 年度 研究成果報告書

神経塩味チャネルの実体究明を基盤とする減塩物質の開発

研究課題

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研究課題/領域番号 18K19728
研究種目

挑戦的研究(萌芽)

配分区分基金
審査区分 中区分59:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
研究機関東京大学

研究代表者

阿部 啓子  東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任教授 (10151094)

研究期間 (年度) 2018-06-29 – 2020-03-31
キーワード塩味チャネル / クロライドイオンチャネル / 食塩受容
研究成果の概要

塩味(NaCl)は食品のおいしさに関わる重要な味覚である。NaCl受容にはNa+とCl-の両方が関与し、前者の分子としてENaCが報告されている。本研究ではCl-を受容する分子をRNA-seq法により探索し、有郭乳頭味蕾に発現するチャネル様遺伝子nClを発見した。HEK293細胞の電気生理実験から、nClは電位依存的にCl-を透過し、NPPBで阻害されるアニオンチャネルであることが示された。NaCl溶液に対するnCl-KOマウス舌咽神経応答は野生型に較べ有意に低下し、nClは口腔内の塩味受容に関与すると推定した。nCl導入培養細胞を用いた塩味増強物質の探索が可能になった。

自由記述の分野

味覚科学、食品科学

研究成果の学術的意義や社会的意義

WHOは成人の食塩摂取目標値を5g/日以下に推奨している。塩分の過剰摂取は、高血圧、心疾患などの生活習慣病のリスクを高めている。しかし、塩味は食品の美味しさを決定することから、食事や食品製造において減塩は難しい。現在、旨味料や香辛料などの添加により塩味を代替する方法が行われている。それは塩味を測定するスクリーニング系がないためであり、増強物質の開発は国際的にも進んでいない。本研究で見いだしたnClチャネルを導入したHEK293培養細胞系は、NaCl溶液を増強する物質探索技術として有効である。本研究の成果は学術面のみならず、減塩による健康長寿社会の面からも貢献するものである。

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公開日: 2021-02-19  

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