| 研究課題/領域番号 |
18K19729
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| 研究機関 | 東京大学 |
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研究代表者 |
工藤 和俊 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 准教授 (30302813)
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| 研究分担者 |
中澤 公孝 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (90360677)
進矢 正宏 広島大学, 総合科学研究科, 准教授 (90733452)
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| 研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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| キーワード | 運動スキル / コーディネーション / 運動制御 / 視覚 |
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| 研究実績の概要 |
注視、瞬目、視線移動を含む顔の動きや表情は、スポーツにおいて環境を知覚する際の参照枠となると同時に、ダンスや演劇においては身体表現要素となり、パフォーマンスの成否を握る要因になりうる。特にバレエなどの表現運動においては、様々な場面において顔と体幹の動きの協調が求められる。そこで今年度は、顔と体幹の協調特性を定量化するための新たな運動協調課題を開発した。本課題では、立位姿勢で注視点を固定または振動させながら、定められたテンポで頭部を左右に振ることを求められ、その際の動作および姿勢動揺を計測した。バレエダンサーおよび非ダンサーを対象とした実験的検討の結果、非ダンサーでは足圧中心動揺が増大する身体協調条件において、ダンサーでは同様の増大が認められないことが明らかになった。さらに、トレンド除去相互相関解析を用いた検討により、ダンサー特有の姿勢維持協調パターンがあることが示唆された。
また、スポーツにおいては、厳しい時間制約の中で、視覚情報をもとに適切な動作を選択することが求められる。この際、特に球技においては周辺視野における選手や複数の対象物の動きを認知することが必要になる。そこで、外部環境の知覚における潜在的注意について検討するため、注視点とは異なる空間位置に出現した刺激に対する視覚弁別課題を開発し、課題遂行中の注視点、瞳孔径、眼球運動を計測し、注意と知覚パフォーマンスとの関係について検討した。現時点において、刺激の明瞭度および中心視からの距離を変化させた際の正答率を心理測に依存して心理測定関数が変化することを確認している。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度は顔と体幹の運動協調課題について、プロのバレエダンサーおよび非ダンサーを対象として、1) 注視点を静止させた頭部回旋、2) 注視点を振動させた頭部回旋、3) 頭部を静止させた注視点振動、4) 頭部および注視点を静止、の４条件下で立位姿勢を30秒間保持する課題を実施し、その際光学式計測装置にて各関節の空間位置を記録するとともに、床反力を計測した。その結果、非ダンサーでは眼と頭を逆相で動かす条件において足圧中心動揺が増大するのに対し、ダンサーではそのような増大が認められないことが明らかになった。あわせて、顔―体幹協調を含む身体協調の定量化方法に関する総説を発表した。また、周辺視野に出現した刺激に対する視覚弁別課題については、刺激の明瞭度および中心視からの距離を変化させた際の正答率を心理測に依存して心理測定関数が変化することを確認した。
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| 今後の研究の推進方策 |
今年度は、視線移動に伴う姿勢安定の熟達差についてさらに検討するため、熟練者および未熟練者を対象とした実験をさらに進めるとともに、これまでの実験により得られた動作および足圧中心データについて、トレンド除去相互相関解析や再帰定量化解析等の非線形時系列解析手法を用いた解析を進める。また、課題遂行中の注視点、瞳孔径、マイクロサッケードを含む眼球運動を計測し、周辺視野への視覚刺激に対する弁別パフォーマンスに関係する要因について明らかにする。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症流行の影響により、３月に予定していた実験を延期することとしたため次年度使用額が生じた。本費用については次年度における実験遂行のために使用する予定である。
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