研究課題/領域番号 |
18K19738
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
建内 宏重 京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (60432316)
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研究分担者 |
市橋 則明 京都大学, 医学研究科, 教授 (50203104)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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キーワード | 股関節 / 超音波 |
研究実績の概要 |
本研究課題では、股関節不安定性を客観的に簡便に評価する方法の開発を目指している。臨床における評価方法の開発を鑑みて、超音波画像診断装置による評価方法の開発を進めている。そのための基礎的研究として、まず、静的評価方法(股関節肢位を変化させない静止状態での評価)に関する妥当性及び信頼性の検証を実施した。MRIによる大腿骨頭の変位量測定を基準として、非侵襲的でかつ骨関節の形態評価が可能な超音波診断装置による同一運動時の大腿骨頭変位量との関連性を検証した。具体的な測定は、以下のように行った。 1)背臥位で他動的に保持された肢位(股関節伸展0°位・20°位、股関節屈曲20°位)で寛骨臼に対する大腿骨頭中心点の位置関係を3次元的に評価する。 2)次に、同肢位(股関節伸展0°位・20°位、股関節屈曲20°位)を自力で保持した際(筋収縮時評価)の骨頭変位量を3次元的に測定する。 3)上記1)2)について、同条件で超音波診断装置Bモードにより骨頭変位量を測定し(各3回測定し平均値を求める)、MRIと超音波診断装置による各評価値の関連性を検証する。 当初の予定では、超音波、MRIともに寛骨臼の特定の点に対する大腿骨頭の変位量を計測する予定であった。しかし、研究を進めるうえで、骨の特定の転換の距離の計測では、寛骨臼と大腿骨頭との位置関係の変化を適切に表していない可能性が考えられた。加えて、基準となるMRI画像からの骨モデル作成に関して改良する必要が生じた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の予定では、超音波画像診断装置による評価の妥当性を検証するために、MRI画像から作成する骨モデルでの骨変位量を基準として計測する予定であった。しかし、MRI画像から作成する骨モデルに改良の必要性が生じた。健常者および有痛者の計測は開始しているため、骨モデルの改良が行えれば、当初の目的であった超音波画像による評価野田相性を検証することが可能となる予定である。
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今後の研究の推進方策 |
MRI画像から作成する骨モデルの改良、および新しい骨モデルを用いた寛骨臼に対する大腿骨頭の変位量の計測方法を確立する。その後、健常者において、超音波で計測した骨頭の変位量の妥当性を検証し、健常者と有痛者との骨頭変位量を比較分析する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
開発を目指している超音波画像診断装置による評価方法の基準となるMRI画像から作成する骨モデルに関して、改良の必要が生じた。そのため、健常者や有痛者を対象とした計測を延期する必要が生じた。
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