研究課題/領域番号 |
18K19739
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
黒木 裕士 京都大学, 医学研究科, 教授 (20170110)
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研究分担者 |
伊藤 明良 京都大学, 医学研究科, 助教 (50762134)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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キーワード | 再生医療 / 移植医療 / リハビリテーション / 関節軟骨 |
研究実績の概要 |
細胞移植による再生医療が人体に応用されはじめた今日、細胞を育てる環境を整えるニッチ・リハビリテーション、および育てた細胞を移植した後に、からだの組織に生着させるセルラー・リハビリテーションを、一体的、連続的に行うリハビリテーションはまだ行われていない。そこで、これらニッチとセルラーの各リハビリテーションを一体的、連続的に行う新たな方法論を開発することを目的として本研究を実施した。いくつかのリハビリテーション方法論の中から探索的に、軟骨損傷に対する物理的刺激介入の影響を検討した。また再生医療とそのリハビリテーションの成果を判定するアウトカムとして、従来は実施されていなかった、動物の歩行解析と疼痛検査を新たに導入した。 具体的には、まず、膝関節軟骨全層欠損モデルラット(以下、欠損部)の組織再生を調べた。つづいて、荷重と免荷が及ぼす影響の確認した。さらに、ラット大腿骨から採取した間葉系細胞の分化能の確認し、この細胞を培養して移植に必要な十分量の1,000,000個を確保できることを確認した。くわえて歩行解析と疼痛検査の準備を実施した。また学会等において研究情報収集を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の当初計画は、①欠損部の組織再生を調べること、②欠損部に対して荷重と免荷が及ぼす影響の確認すること、および、③この欠損部に対して細胞移植を行い、その後のリハビリテーション介入の影響を調べることであった。 このうち①は、バイオプシーパンチを用いて欠損部を作成し、組織学的変化を調べた。②は、荷重と免荷が及ぼす影響を確認した。さらに、リハビリテーション介入の成果を判定するアウトカムとして、新たに歩行解析と疼痛検査の準備を実施した。③として、ラット大腿骨から採取した間葉系細胞の分化能の確認し、この細胞を培養して移植に必要な十分量の1,000,000個を確保できることを確認した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、培養して移植に必要な十分量の1,000,000個を確保した間葉系細胞を滅菌PBSに混合して欠損部に注入、移植し、つづいてリハビリテーション介入してその影響を調べること、および歩行解析と疼痛検査を実施する計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
細胞移植を実施しなかったことで次年度使用額\332,101が生じている。 この次年度使用額を含めて当初計画通り研究を遂行する予定である。
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