研究実績の概要 |
細胞移植による再生医療が人体に応用されはじめた今日、細胞を育てる環境を整えるニッチ・リハビリテーション、および育てた細胞を移植した後に、からだの組織に生着させるセルラー・リハビリテーションを、一体的、連続的に行うリハビリテーションはまだ行われていない。そこで、これらニッチとセルラーの各リハビリテーションを一体的、連続的に行う新たな方法論を開発することを目的として本研究を実施した。 いくつかのリハビリテーション方法論の中から探索的に、関節軟骨損傷に対する物理的刺激介入の影響を検討した。また再生医療とそのリハビリテーションの成果を判定するアウトカムとして従来は実施されていなかった動物の歩行解析、および疼痛検査を新たに導入した。また後肢に体重を負荷しない免荷の影響を検討した。具体的には以下の研究①と②を実施した。 研究①では、膝関節軟骨全層欠損モデルラットの組織再生を調べた。つづいて、荷重と免荷が及ぼす影響の確認した。さらに、ラット大腿骨から採取した間葉系細胞の分化能の確認し、この細胞を培養して移植に必要な十分量の1,000,000個を確保できることを確認した。くわえて歩行解析と疼痛検査を実施した。 研究②ではラット膝関節にモノヨード酢酸を関節内注射して関節症を発症させ、その後、後肢を免荷して影響を調べた。 これらの研究に関連する情報収集のため国内外の学会等に参加するとともに、研究成果の一部を学会発表するとともに、国際誌に論文発表を行った。
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