研究課題/領域番号 |
18K19746
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
上番増 喬 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 特任助教 (10581829)
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研究分担者 |
山田 苑子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 助教 (30716634)
高橋 章 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (90304047)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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キーワード | 栄養学 / 腸内細菌叢 |
研究実績の概要 |
ヒトが生命活動を維持していく上で、外界からの栄養摂取は欠かせないものである。栄養摂取バランスが崩れると、疾患の罹患リスクが高まるだけでなく、治療効果や生存率にも悪影響があるため、栄養状態を適切に評価し、評価に基づいた適切な栄養管理を行う必要がある。 栄養素は食事由来の成分のみでなく、腸内細菌叢からも供給される。栄養素の内、ビタミンの供給量に着目し、腸内細菌叢の有無により、ビタミン欠乏食摂取後にビタミン欠乏状態におちいる早さを解析した結果、腸内細菌叢の破綻したマウスでは、そうでないマウスに比較してより早期にビタミン欠乏を生じることが明らかとなった。 同時に、ビタミン欠乏食を摂取したマウスの腸内細菌叢および宿主の腸管、血液等の各種臓器の代謝産物を網羅的に解析することで、ビタミン欠乏に伴って変動する代謝産物を見出した。この代謝産物は、抗菌薬投与により腸管内容物中の濃度が減少することのみならず、血液中でも濃度が減少することから、腸内細菌が代謝、産生(または蓄積)し、腸管内腔中に分泌したものを宿主が吸収していることも明らかとなり、腸内細菌叢もある種の栄養素の過不足を感知している事が明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
消化器疾患患者および健康な方を対象として検討を行う予定であった。しかしながら、徳島大学倫理委員会の開催の延期や手続きの遅れ等により、まだ十分な解析を行うことができていない。
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今後の研究の推進方策 |
消化器疾患患者の手術前後および健康な方の栄養状態と、血中、糞便中、尿中代謝産物の網羅的解析、食物摂取頻度調査、および体組成の測定により、潜在的な栄養不良を早期に発見するための新たな栄養状態の指標の探索を行う。 動物実験では、腸内細菌叢の代謝機能制御により、尿路結石の予防に繋がる栄養療法の検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
ヒト試験の実施が遅れている。ヒト試験で使用予定の物品費および謝金等の支出を次年度に繰り越した。
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