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2019 年度 実施状況報告書

知覚的エントロピー劣化によってストリームデータの圧縮率の制御は可能か?

研究課題

研究課題/領域番号 18K19773
研究機関筑波大学

研究代表者

山際 伸一  筑波大学, システム情報系, 准教授 (10574725)

研究分担者 和田 耕一  筑波大学, システム情報系, 教授 (30175145)
坂本 比呂志  九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 教授 (50315123)
研究期間 (年度) 2018-06-29 – 2022-03-31
キーワードデータ圧縮
研究実績の概要

本年度の課題としては、エントロピー劣化をADPCMで実現したが、その手法の有効性について、実験を重ねて実証することに焦点をしぼった。エントロピー劣化によって、映像の各フレームを劣化させた際のクオリティに関しての評価実験に注力した。手法としては、ADPCMによる劣化によって、1ビットまで非可逆圧縮を実施し、それを可逆圧縮する場合について、PSNR値による客観的な画像の劣化度合いについて評価を行った。PSNR値は画像に対するノイズ成分を定量的に表す指標で、その値が30以下の場合は、画像に適用すると、原画像に対し、人の目には劣化が激しいことが確認できるレベルとなる。そこで、複数の4K映像を用いて、各フレームを切り出し、ADPCMにより劣化させ、再度、復号したフレーム画像を元のフレーム画像とPSNR値を比較した。現在のところ、8ビットの原画像のデータを2ビットに劣化させた場合については、十分に人の目には劣化を感じさせないことが確認できた。一方、1ビットの場合は、劣化が激しく、産業利用できるレベルではないことを確認している。以上の実験を複数、繰り返し、現在、手法のパラメタの調整を行い、論文と知財の準備を行っているところである。近年の深層学習で利用される劣化手法であるダウンサンプリングを比較対象にすることで、定性的に比較できる手法を現在、模索しており、来年度の前半にこの評価を完了させるように予定しているところである。人の視覚による直接の評価も含めて、画質の判断を定量評価することを計画している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

エントロピー劣化手法を確定し、その評価段階に到達しているため。

今後の研究の推進方策

来年度は、ここまでの成果を外部に発表することに注力し、論文としてまとめる作業を中心に実施する。また、映像に対してここまでに実装した手法を適用して、時間軸での劣化具合を人間の視覚でどのくらい感じられるのかの実験を行うと共に、PSNR値との間での齟齬があるのかどうかを確認することにより、本年度に実施した評価の正当性を確認する。

次年度使用額が生じた理由

当初予定していた調査による国際会議への訪問を新型コロナウィルスの影響により取りやめたため、2つの海外調査の旅費が使用できなかった。その分を次年度に執行する予定である。また、提案手法の有効性を現在確認しているところであり、その確認作業が遅れているため、未だ実施に至っていないが、ハードウェア化、および、GPUといった高速実行環境での試行を次年度に計画する。

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公開日: 2023-12-25  

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