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2018 年度 実施状況報告書

学習の阻害による深層学習の学習促進

研究課題

研究課題/領域番号 18K19785
研究機関大阪府立大学

研究代表者

岩村 雅一  大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80361129)

研究期間 (年度) 2018-06-29 – 2020-03-31
キーワード深層学習 / 物体認識 / 学習の阻害 / 正則化
研究実績の概要

本年度は、我々が提案したShakeDropという「学習の阻害」を利用して物体認識の認識精度を向上させる正則化手法の解析と大規模な実験を行った。
提案手法は、従来手法であるShake-Shakeと同様に、ニューラルネットワークのフォワードパスとバックワードパスで異なる乱数を用いて学習を阻害するが、いずれの手法もどうしてこれで認識精度が向上するのかが不明であった。この問題に対して、最近の研究成果によって得られた知見から、いずれの手法もフォワードパスでは特徴に乱数による外乱を加えることで新たなデータを合成しているという解釈を与えた。また、提案手法は、ニューラルネットワークの1本の分岐しか外乱を与えるのに使わないために適用可能なネットワークが多いが、2本の分岐のShake-Shakeの方が提案手法よりも処理が安定しているという、実験結果に基づく解釈も与えた。そして、Shake-Shakeよりも不安定な提案手法をどのように安定させているかについて説明した。
前述の解釈を与えるために、提案手法が有効なパラメータを実験的に探索したところ、新しい有効なパラメータセットが見つかった。これまではネットワークのResidual Blockと呼ばれる処理ブロックの最後にRectified Linear Unit (ReLU)があるとうまく動作しないと考えていたが、新しいパラメータセットを使うことで、最後にReLUがあっても良いということがわかった。これに基づき、計算機資源の関係で、従来はCIFAR-10/100という比較的小規模なデータセットにおいてのみの実験をしていたが、当該分野で標準的に使われているImageNetというデータセットでの実験を実施して、提案手法の有効性を確認した。さらに、提案手法は深いネットワークでより高い性能を発揮することを実験的に確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

研究実績の概要に記した通り、当初計画していたShakeDropがニューラルネットワークで有効に働く理由の理論的解明ならびに大規模な実験による検証が概ね実施できたため。

今後の研究の推進方策

本研究でこれまで研究してきたShakeDropは、乱数によって特徴に外乱を加えて、未知のデータを合成している手法であった。すなわち、データセットに含まれている画像とクラスラベルの組のうち、画像のみに工夫を施していた。正則化にはクラスラベルに対する工夫で性能向上を目指すものもあり、今後はクラスラベルの工夫の効果を検証し、可能であればShakeDropとのシナジー効果も検証する。

次年度使用額が生じた理由

当初は予算のほとんどをGPUサーバの購入に充てる予定であったが、同様にGPUサーバが必要な他予算との合算によりGPUサーバを調達することにしたため、また研究補助員の雇用が必要になったために、研究費の使用計画を変更した。次年度は国際会議への出席や研究補助員の雇用に用いる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] ShakeDrop Regularization2018

    • 著者名/発表者名
      Yoshihiro Yamada, Masakazu Iwamura, Koichi Kise
    • 学会等名
      6th International Conference on Learning Representation (ICLR) Workshop
    • 国際学会
  • [学会発表] ResNetsに対する新たな正則化手法ShakeDropの提案2018

    • 著者名/発表者名
      山田良博, 岩村雅一, 黄瀬浩一
    • 学会等名
      第21回画像の認識・理解シンポジウム(MIRU2018)

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公開日: 2019-12-27  

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