目には入ってはいるものの意識的には見えていない視覚情報が、どのような脳内機序を経て意識に上って見えるようになる(視覚的意識へアクセスする)のだろうか?このことを明らかにすることは、ヒトを対象とする認知神経科学の重要な課題の一つである。とりわけ、無意識下に呈示する画像が意識へ上る脳情報処理の“早期の”動態については、まだ殆ど解明が進んでいない。本研究は、無意識下に画像を呈示した後、200ミリ秒以内に駆動される視覚ミスマッチ処理とよばれる脳情報処理に着目し、この視覚ミスマッチ処理が「視覚的意識へのアクセス」に関与していることを見出した。
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