研究課題/領域番号 |
18K19828
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
青山 一真 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 助教 (60783686)
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研究分担者 |
安藤 英由樹 大阪芸術大学, アートサイエンス学科, 教授 (70447035)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2022-03-31
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キーワード | 嗅覚電気刺激 / 鼻腔内科学感覚 / バーチャルリアリティ |
研究実績の概要 |
2020年度は社会情勢の関係で空気の吸引を必要とする本研究においては,実験参加者を募る実験が非常に困難であった.一方で,昨年度の研究時のデータに着想を得て,非常に限られた参加者数でのパイロットスタディにおいてではあるが,電気刺激の時間パターンを制御することで,持続的な鼻腔内科学感覚の惹起が可能であることがわかってきた.鼻腔内科学感覚の継続的惹起が可能となると,嗅覚ディスプレイ技術としての活用の可能性がさらに広がると考えられる. また,昨年度から予定していた,嗅覚物質の吸引の時間を制御するための装置を構築した.この装置ではポンプ並びに空気弁を搭載して電磁弁の開閉時間をコンピュータによって制御することで,嗅覚物質の吸引量を制御することが可能となった. 電気刺激によって惹起される鼻腔内科学感覚の質に関しては,時間パターンや電流印加時間を制御することで幾分制御可能であることも,本年度のパイロットスタディによって確認できたが,その質は刺激臭に近い化学感覚のみであった.嗅覚電気刺激によって刺激臭が惹起される事実は鼻腔内にある三叉神経を刺激している可能性が高いことを示しているが,三叉神経を刺激しにくい電極配置や時間パターンなども今後積極的に探っていく予定である. 次年度はこれらの評価実験の実施並びに、昨年度得られた新たな知見である,鼻腔内の化学感覚による反射応答としての分泌量の増加・減少についても検証していく.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
昨今の新型コロナウイルス感染症の流行に伴い,人に空気を吸い込ませる本研究の実施は非常に困難であったため.
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今後の研究の推進方策 |
社会情勢の変化を見ながら,実験を進めていく.また,マスクやアルコール消毒,ディスポーサルな消耗品の利用,換気の徹底によって安全に実験を実施する.
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次年度使用額が生じた理由 |
昨今の新型コロナウイルス感染症流行に伴い,被験者実験が困難であったこと,学会発表などが困難であったことなどが理由である. 来年度は社会情勢を見ながら,安全と衛生に配慮して適切に実験を行っていく.
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