研究実績の概要 |
歴史学・考古学の研究の実施にあたっては、数少ない史料・資料をもとにさまざまな考察を行い、仮設を設定する作業が必要となる。これはきわめて属人的な作業であり、AIをはじめとする最先端の情報技術によって飛躍的な発展の可能性がある。本研究では、エージェントにモデルに基づくシミュレーション,ならびに、ビッグデータ分析、ネットワーク分析などの技術を中心とする計算主導型の方法論を導入する。そして、情報科学者と人文科学者とが協調して研究を進められるような、新たな学際領域としての計算歴史学・考古学の構築をはかる。本課題ではそのための方法論とツールを提供することを目的とする。最終年度として、知能情報学の観点から以下の研究を実施した。 (1)本研究の成果を普及させるため、考古学ジャーナルに本研究の方法論と成果について発表した。「エージェントモデルによる計算考古学の構築にむけて」2022. (2)最近のテキストマイニング技術とネットワーク理論とを考古学資料に適用し、成果を発表した。Understanding Cultural Similarities of Archaeological Sites from Excavation Reports Using Natural Language Processing Technique. JACIII, Vol.27, 2023. (3)大規模なマルチレベル・エージェントモデリング手法について研究発表を行なったデジタル社会実験の実現にむけて-データ・モデル・コミュニケーション- 計測自動制御学会, 社会システム部会, 招待講演 2023. 以上により、本研究の目的に沿った研究が実施できたと考えている。
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