研究課題
本研究は、「ハードウエアの開発」、「ソフトウエアの開発」、「ハードとソフトの融合」に分けて進めている。・ハードウエアの開発:2020年度は、まず、1枚のゲルに2サンプルがアプライでき、同時にTGGEが行えるゲルカセットを設計し、作製した。従来のTGGE装置を用いて温度勾配や電流等の条件を最適化した結果、2サンプルで同じTGGEのパターンが得られた。次に、1枚のゲルに5サンプルがアプライでき同時にTGGEができるゲルカセットと専用装置を設計し、作製した。このシステムでは、4カ所の温度を設定することにより、1枚のゲルの左から右に3つの温度勾配(低→高、高→低、低→高)をかけることができる。条件を最適化した結果、5サンプルで同じTGGEのパターンが得られた・ソフトウエアの開発:本項目では、2020年度は、主として深層学習による軌跡検出処理ならびに変曲点検出を実行する処理の実装を行い、精度向上の可能性を検証した。YOLOでは過検出が抑制されるものの検出漏れも多く発生した。一方、RetinaNetを基本とすると検出漏れは少ないものの、過検出が目立った。双方の問題の改善を検討した結果、YOLOにおける検出漏れを減らすよりもRetinaNetベースの手法の過検出を減少させる方が有望と判断した。損失関数の再検討を行ったところ、0.5以下あるいは2以上を乗じた場合により良好な精度が得られることが判明した。・ハードとソフトの融合: 2020年度は、一定温度のDNA増幅法であるリコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA)法を実施するのに必要な酵素である、リコンビナーゼ(Rec)であるuvsXとuvsY、1本鎖DNA結合タンパク質(SSB)であるgp32の組換え体を、大腸菌を宿主として生産した。自家調製のRecとSSBおよび市販のPolとATP再生系酵素を用いてRPA反応を実現した。統計学的手法による最適化の結果、反応効率を、市販のTwist社のRPAキットと同程度までに高めた。
すべて 2021 2020
すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 2件、 査読あり 4件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 3件)
Protein Engineering, Design & Selection
巻: 未定 ページ: 未定
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