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2019 年度 実績報告書

数理解析とメタゲノミクスでマイクロバイオーム撹乱後の回復を予測する

研究課題

研究課題/領域番号 18K19846
研究機関国立研究開発法人海洋研究開発機構

研究代表者

高見 英人  国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(海洋生物環境影響研究センター), 上席研究員 (70359165)

研究分担者 竹本 和広  九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 准教授 (40512356)
大久保 卓  国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(海洋生物環境影響研究センター), ポストドクトラル研究員 (70749275)
桑原 知巳  香川大学, 医学部, 教授 (60263810)
研究期間 (年度) 2018-06-29 – 2020-03-31
キーワード腸内細菌叢 / 機能的メタゲノム解析 / 乳児 / 数理解析
研究実績の概要

令和元年度は、菌叢組成ではなく、腸内細菌叢が有する生理代謝機能moduleのアバンダンス(豊富さ)の違いに基づいた抗生剤投与有無での機能的違いを詳細に解析した。生理代謝機能moduleの充足率が抗生剤投与有無の双子乳児でいずれも100%となるmoduleのアバンダンスに顕著な違いが見られる機能及び抗生剤投与後に消失し、細菌叢回復後に復活する機能を調べた。また、moduleアバンダンス値を用いて数理統計学的解析を行った。
moduleアバンダンスのPCAの結果は、抗生剤投与後の生後99日目に菌叢が投与前と同様に回復した双子乳児IIは、昨年度の菌叢解析の結果と異なり抗生剤未投与の双子乳児Iや投与後菌叢が完全に回復した生後171日目の双子乳児IIの細菌叢のmoduleアバンダンスと類似のパターンを示した。これは、菌叢組成のPCAでは、優占種以外の割合としては少ない菌種の多様性の高さが反映されたのに対し、moduleアバンダンスのPCAでは同一機能を持つ他菌種のアバンダンスの寄与が非常に少ないため、両PCAの結果が一致しなかったと考えられる。したがって、生態系変化の兆候をいち早く察知するにはribosomeタンパク質に基づく菌叢組成が有効であると考えられた。
一方、抗生剤未投与の双子乳児Iと投与後の双子乳児II間比較で、moduleアバンダンスに差が見られた14 moduleのうち最も顕著な変化が見られたmoduleは、raffinose/stachyose/melibiose等のビフィズス菌の生育に有効なオリゴ糖の取り込み輸送体で、双子乳児IIの菌叢が完全に回復した生後171日では未投与時と同様に復活した。しかし、171日目のビフィズス菌の菌叢組成は投与前と比べ様変わりし、投与前の優占種Bifidobacterium kashiwanohenseが消失したのに対し、Bifidobacterium dentiumが優占種となっていた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 図書 (1件)

  • [図書] MAPLE enables functional assessment of microbiota in various environments2019

    • 著者名/発表者名
      Hideto Takami
    • 総ページ数
      271
    • 出版者
      Springer
    • ISBN
      978-981-13-8134-8

URL: 

公開日: 2021-01-27  

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