本研究では、三種の酸素同位体の相対組成を指標に使った新しいin-vitro(培養器内での)脱窒速度定量手法の開発に挑戦した。本研究で開発した手法は、培養容器を大気から遮断する必要がなくなるので、水―堆積物間の物質収支を観測するためのフラックスチャンバー、表層堆積物および直上海水を採取するためのコアサンプラー、沈降粒子を採取するセジメントトラップ、浮遊性粒子類を採取するプランクトンネットなどの既存のサンプラーを、そのまま培養系として活用できるようになった。つまり、現場の酸化還元環境変化を最小限に抑えながら、高確度の脱窒速度を簡便な操作で求めることができるようになった。
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