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2020 年度 実績報告書

腸内環境も勘案したミクロシスチン低濃度曝露による慢性中毒発症機構と緩和法の検証

研究課題

研究課題/領域番号 18K19854
研究機関島根大学

研究代表者

清水 英寿  島根大学, 学術研究院農生命科学系, 准教授 (10547532)

研究分担者 石塚 敏  北海道大学, 農学研究院, 教授 (00271627)
清水 和哉  筑波大学, 生命環境系, 准教授 (10581613)
岡野 邦宏  秋田県立大学, 生物資源科学部, 准教授 (30455927)
研究期間 (年度) 2018-06-29 – 2021-03-31
キーワードMCP-1 / F4/80 / マクロファージ / JNK / ABC transporter / SLC transporter
研究実績の概要

ミクロシスチン含有水を7週間自由飲水させたラットの結腸において、MCP-1の発現上昇が観察された。MCP-1は単球・マクロファージを発現組織へと誘導・浸潤させるため、結腸でのマクロファージのマーカー遺伝子の1つであるF4/80の発現量を調べたところ、その発現量はMCP-1の発現量と正の相関関係にあった。つまり、MCP-1の発現上昇に依存して、単球・マクロファージが結腸に誘導・浸潤されていることが示唆された。次に、ミクロシスチンによる結腸でのMCP-1の発現制御メカニズムについて検討した。培養腸管細胞にミクロシスチン刺激を行ったところ、JNKの活性化を介してMCP-1の発現量が増加することが明らかとなった。また、Probenecidを前処理した後ミクロシスチン刺激を行ったところ、JNKの活性化とMCP-1の発現増加は抑制された。よって、ミクロシスチンは、ABC (ATP-Binding Cassette) および SLC ((solute carrier) transporterを介して結腸細胞内に取り込まれることで、JNK/MCP-1経路を活性化させることが示唆された。続いて、腸線維化についても着目したところ、そのマーカー遺伝子であるα-SMA、フィブロネクチン、COL1A1のmRNA発現量がミクロシスチン摂取ラットで観察された。一方で、炎症関連遺伝子であるTNFαおよびIL-6のmRNAレベルに有意な変化はなかった。以上より、ミクロシスチンの慢性的な低濃度曝露により、ミクロシスチンはABCおよびSLC transporterを介して結腸に取り込まれ、マクロファージの誘導・浸潤や腸線維化を誘発し、さらに、これらの要因の起点となるMCP-1の発現増加には、JNKの活性化が関与している可能性が明らかとなった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021 2020

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] ラットに対するミクロシスチンの低濃度曝露は結腸においてMCP-1の発現増加を導く2021

    • 著者名/発表者名
      古東義仁, 河原秀明, 蔵田航一, 吉清恵介, 杉浦則夫, 清水和哉, 清水英寿
    • 学会等名
      日本農芸化学会中四国支部第58回講演会(例会)
  • [学会発表] アオコ由来毒素ミクロシスチン-LRの慢性的な低濃度曝露は大腸においてJNKの活性化を介してMCP-1の発現増加を導く2021

    • 著者名/発表者名
      古東義仁, 河原 秀明, 蔵田航一, 吉清恵介, 杉浦則夫, 清水和哉, 清水英寿
    • 学会等名
      日本農芸化学会2021年度大会
  • [学会発表] アオコ由来毒素ミクロシスチン-LRはラットにおいて腸線維化を誘導する2020

    • 著者名/発表者名
      古東義仁, 堀 将太, 石塚 敏, 杉浦則夫, 清水和哉, 清水英寿
    • 学会等名
      第43回日本分子生物学会年会

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公開日: 2021-12-27  

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