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2019 年度 実施状況報告書

亜酸化窒素を作動ガスとする極低環境負荷型多段ガスタービンシステム構築への挑戦

研究課題

研究課題/領域番号 18K19885
研究機関北九州工業高等専門学校

研究代表者

山本 洋司  北九州工業高等専門学校, 生産デザイン工学科, 教授 (50707453)

研究分担者 橘 武史  北九州工業高等専門学校, 生産デザイン工学科, 特命教授 (50179719)
研究期間 (年度) 2018-06-29 – 2021-03-31
キーワード環境負荷低減 / 亜酸化窒素 / 分解発熱 / ガスタービン
研究実績の概要

本研究は、ガスタービンの作動ガスに亜酸化窒素(N2O)を用い、N2Oの分解発熱を利用して、燃料を使用しない或いは殆ど使用せずにガスタービンを駆動させ,さらに酸素濃度の高い排気ガスを他のガスタービンの作動ガスとし、ウルトラリーン燃焼で運転させることのできる極低環境負荷型N2O多段ガスタービンシステム実現へ向けて挑戦するものである。
昨年度までは、高温高圧容器を用いたヒーターによるN2O分解実験では簡単に熱分解しなかったので、容器内の断熱構造を見直し、初期圧力0.3MPa、常温で封入したN2Oをヒーターで加熱すると、大凡0.7MPaに達すると圧力が急上昇した。常温まで冷却した後の容器内の圧力は初期圧力の約1.35倍、酸素濃度は25%程度であったため、N2Oが分解していると考えられる。圧力が急上昇するところの容器内気体温度は、定容変化から換算すると約400℃なので、N2Oの分解温度とされている600℃には達していないが、ヒーター表面温度は650℃以上となっているので、ヒーター表面に触れたN2Oが分解発熱し、その周りのN2Oが連鎖的に分解していったと考えられる。この圧力上昇を利用すれば熱機関を作動させることができると考える。しかし、N2Oが完全分解すると理論上の酸素濃度は33.3%となるはずであるが、それより酸素濃度が低いので、完全分解していないと思われる。N2Oの完全分解に向けて容器形状やヒーターのさらなる改良を行う必要がある。
ガスタービン試験装置は燃料にメタンを用い、自立運転できる条件を導き出し、基本的な性能を把握した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

高温高圧容器の断熱構造を見直し、N2Oが熱分解するようになり、圧力上昇変化や分解ガスの酸素濃度測定が行えた。また、燃料にメタンを用い、ガスタービンの自立運転条件を導き出し、実験装置の基本的な性能を把握した。また、燃料にメタンやジメチルエーテルを、酸化剤にN2Oとした混合気の希薄可燃限界や排気ガス成分などの測定をスタートさせた。よって、おおむね順調に進んでいると言える。

今後の研究の推進方策

高温高圧容器の構造やヒーターを見直して、N2Oが確実に完全分解するようにし、これを反映したN2O用の燃焼器を設計製作する。始動時に僅かながら燃料が必要な可能性があるのと、酸素濃度の高い排気ガスを用いたウルトラリーン燃焼で作動させる2段目以降のガスタービンの運転条件を導き出すため、メタンやジメチルエーテルを燃料に用いた希薄可燃限界の測定を引き続き行う。
N2O用ガスタービン燃焼器を製作後、これを用いて作動ガス中のN2O流量を徐々に増やしながら運転させ、最終的にN2Oのみの運転を目指す。

次年度使用額が生じた理由

亜酸化窒素の基礎分解特性把握に関する研究に注力したので、ガスタービンを用いた実験で使用予定であった部品、改造、消耗品等に関する費用が予定より少なかった。また、2、3月に予定していた学会発表やメーカとの打ち合わせのための出張がコロナウィルス感染防止のためキャンセルとなった。
次年度はN2O用ガスタービン燃焼器の製作、ガスタービン作動実験のための回転計等の測定装置や改造部品、消耗品等に主に使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] エネルギー源としての亜酸化窒素の利用提案2019

    • 著者名/発表者名
      朝倉慎,山本洋司,橘武史
    • 学会等名
      火薬学会2019年度秋季研究発表会

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公開日: 2021-01-27  

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