研究実績の概要 |
(1) オクタカルシウムフォスフェート(OCP)を人工合成し顆粒状に整粒し、ブタ皮膚由来アテロコラーゲン濃縮液と混練・凍結乾燥・成型し、OCP ・コラーゲン複合体(OCP/Col)スポンジを作製した。その後、作製したOCP/Colに骨粗鬆症の治療に用いられている副甲状腺ホルモン(PTH)の活性部分であるテリパラチド(TPTD)溶液(1.0μg、0.1μg)を滴下・凍結乾燥しOCP/Col/TPTD凍結乾燥体を作製した。なお対照試料は市販のβ-リン酸三カルシウム(β-TCP)を用いて、OCP/Col/TPTD凍結乾燥体と同様にTPTD溶液(1.0μg、0.1μg)を滴下・凍結乾燥し、β-TCP/Col/TPTD凍結乾燥体 (1.0μg or 0.1μg)を作製した。 (2) ELISA法を用いてOCP/Col/TPTD凍結乾燥体、β-TCP/Col/TPTD凍結乾燥体からのTPTD徐放様式を1, 3, 7, 14, 28日後に解析し、それらが比較的長期間OCP/Colに保持されることを確認した。 (3) 雄性 Wistar系ラットの頭蓋冠骨欠損モデル(自然治癒の望めない9mmφの欠損)にOCP/Col/TPTD凍結乾燥体、β-TCP/Col/TPTD凍結乾燥体、OCP/Col、β-TCP/Colを埋入し、実験動物用X線CTを用いて経時的に試料埋入部位を観察し、同部の新生骨の骨密度の解析を行った。術後12週で標本を摘出し、10% EDTAにて脱灰後、パラフィン切片を作製し、ヘマトキシリン・エオジン染色を行った。染色切片上の関心領域における骨形成量について組織定量学的解析を行い、OCP/Col/TPTD凍結乾燥体の骨再生能はβ-TCP/Col/TPTD凍結乾燥体、OCP/Col、β-TCP/Colに比較して有意に増強されることを確認した。
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