近年、コレステロールやその生合成中間体・代謝物などが炎症応答に関与することが報告されており、ステロール類と免疫系のクロストークが注目されている。本研究では、β-シクロデキストリン含有ポリロタキサンによるコレステロールへの作用が炎症応答に及ぼす影響を評価した。ポリロタキサンを作用させた細胞をリポ多糖で刺激すると、細胞内のコレステロール含量が低下するとともに、炎症応答が抑制されることを見出した。このようなポリロタキサンの作用は、リポ多糖を腹腔内投与した劇症肝炎モデルマウスでも確認された。以上より、ポリロタキサンによる細胞内コレステロールへの作用は、炎症が関連する疾患の治療に応用できると期待される。
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