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2020 年度 実績報告書

がん転移と脈管新生の革新的理論:組織内集光性を高めた次世代光学顕微鏡による医工学

研究課題

研究課題/領域番号 18K19908
研究機関浜松医科大学

研究代表者

平川 聡史  浜松医科大学, 光尖端医学教育研究センター, 特任研究員 (50419511)

研究分担者 岡崎 茂俊  浜松医科大学, 光尖端医学教育研究センター, 教授 (50394002)
研究期間 (年度) 2018-06-29 – 2021-03-31
キーワード血管新生 / リンパ管新生 / 遺伝子改変マウス / 2光子レーザー顕微鏡 / 医工学 / VEGF
研究実績の概要

研究成果の内容:表皮特異的K14-vascular endothelial growth factor (VEGF)-Aトランスジェニックマウス(TG)の血管及びリンパ管発生を次世代2光子レーザー顕微鏡を用いて観察した。この顕微鏡は、工学分野で研究開発された空間変調器を応用したものであり、今まで捉えることが出来なかった脈管の病的変化を検出できる新しい技術である。Prox1プロモーターでenhaced green fluorescent protein (EGFP)を発現するTGは、リンパ管を緑色に可視化することが出来る。そこで、本研究ではProx1-EGFP TGとK14-VEGF-A TGを交配し、TGとK14-VEGF-A TG/Prox1-EGFP TGを新たに作成した。このマウスの血管に赤色蛍光のトレーサーを注入し、次世代2光子レーザー顕微鏡で観測したところ、緑色に標識されたリンパ管へ赤色トレーサーが流入する様子が観察され、毛細血管がリンパ管へ吻合する部位が観察された。
意義:血管とリンパ管は、従来それぞれ独立した脈管として考えられている。しかし、本研究では病的環境において血管とリンパ管が吻合し、互いに交通していることを明らかにした。その医学的意義は、がん組織における転移経路を捉え直し、新たな医学研究と学術基盤を創出する点にある。従来、血行性あるいはリンパ行性転移と、がんの転移経路は単純かされている。しかし、本研究の成果により、血行性及びリンパ行性転移が互いの経路を共有し、より複雑な転移網を形成することが示唆される。本研究では次世代2光子レーザー顕微鏡を用いて、今まで捉えることが出来なかった脈管の病的変化を検出し、マウスがん組織において新たな転移経路を見出すことにより、新しい医工学を抄出すべく挑戦し、がん研究における新たな学術体系を構築すべく取り組んだ。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [国際共同研究] ETH Zurich(スイス)

    • 国名
      スイス
    • 外国機関名
      ETH Zurich
  • [雑誌論文] Correlations between serum cetuximab and EGF-related markers, and skin disorders in head and neck cancer patients.2021

    • 著者名/発表者名
      Shibata K, Naito T, Hirakawa S, Suzuki K, Hosokawa S, Mineta H, Kawakami J.
    • 雑誌名

      Cancer Chemotherapy and Pharmacology

      巻: 87 ページ: 555, 565

    • DOI

      10.1007/s00280-020-04228-4

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2021-12-27  

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