研究課題/領域番号 |
18K19909
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
山本 誠一 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (00290768)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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キーワード | α線 / 内用療法 / イメージング / 超高分解能 / 飛跡 |
研究実績の概要 |
α線は、生体中において放射線の飛程が数十μmで、腫瘍を殺傷する能力が高いという特性があり、α線放出核種を用いた内用療法が期待されている。α線放出核種である、例えばアスタチン(At-211)はα線のみを放出するため、目標とする腫瘍細胞に集まればその細胞に多くのエネルギーを与えることができる。しかし、細胞を用いた実験において腫瘍細胞にAt-211標識化合物が集まっているか、さらに細胞中小器官の中のどこに集まっているかを実時間に知ることは不可能であり、夢物語であった。細胞内部から放出されるα線を1μm近い空間分解能で、実時間で画像化できれば、細胞内小器官への核種の蓄積の情報が得られる上、細胞の形状などの時間変化を同時に知ることができるようになり、α線内用療法の研究を飛躍的に発展させるものと期待される。本研究は、α線を1µm近い空間分解能で、実時間で画像化可能な装置を開発し、α線内用療法などの超高分解能を必要とされる放射線イメージング研究を飛躍的に発展させることを目的とする。 共同研究で開発された、1μmの直径を有する光ファイバー形状のシンチレータプレートを用いることにより、ファイバーシンチレータが開発されたことにより25μmの空間分解能を達成していた。今回、画像を拡大するためのテーパー型ファイバープレートを2個連結し、空間分解能を5倍に向上することこを試みた。この結果、アルファ線に対して、11μmの空間分解能を達成でき、α線を長細い形状に画像化でき、飛跡のリアルタイム画像化に世界で初めて成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
画像を拡大するためのテーパー型ファイバープレートを2個連結し、空間分解能を5倍に向上することこを試みた。この結果、アルファ線に対して、11μの空間分解能を達成でき、α線を長細い形状に画像化でき、飛跡のリアルタイム画像化に世界で初めて成功したため順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
11μmの空間分解能を、ファンバーシンチレータの性能を向上させることにより1μmを目指して向上させていく。それによりα線を長細い形状を線状に画像化できるようにし、一か所から線状に放出される飛跡をリアルタイム画像化可能にする。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度前後での納品があり、年度での会計金額は計画から外れることは普通に起こることである。
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