研究課題/領域番号 |
18K19911
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
益田 泰輔 名古屋大学, 未来社会創造機構, 特任准教授 (30431513)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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キーワード | メカノバイオロジー / バイオプリンター / 培養システム |
研究実績の概要 |
本研究が解決すべき課題は,脈管系の重要な構成要素である大小のリンパ管を生体外で構築し,蠕動・収縮といった複雑で動的な細胞周囲の微小環境を忠実に再現することで,培養細胞に本来の組織・器官特異的性質を発揮させ,リンパ浮腫等の根本的治療を目指した人工血管・リンパ管を有する組織構造体の構築である. ① 三次元組織構造体の構築 三次元組織構造体は,全長:18.8 mm,狭窄部幅;1.0 mm,厚み:1.0 mmのダンベル形状とした.三次元細胞構造体の外形はモールディング法により,形状安定性を図った.その後,ゼラチンメタクリロイルを主剤としたGelMA-A(CELLINK Co.)ハイドロゲルにマウス筋芽細胞C2C12を導入し,モールド内部にバイオプリンティングして三次元細胞構造体を作製した.これにより,細胞内部の組織化を促し,組織構造体への誘導をかける. ② 力学(伸展・煽動収縮)刺激印加培養システムの構築 作製した三次元細胞構造体は,固定冶具を介して,CO2インキュベータ内部に設置した伸展刺激印加培養システムのチャンバー内に搭載する.筋芽細胞は,伸展方向に配向することが知られている.繰り返し伸展ひずみを印加することにより,筋芽細胞の分化調節を行う.伸展刺激印加培養システムでは,伸展機構と対峙して力センサを搭載した.本研究で作製した伸展刺激印加培養デバイスを用いて,ハイドロゲル(GelMA-A)三次元構造体に対して伸展刺激を印加し,その際にゲルに生じる張力の計測を行った.その結果,リン酸緩衝生理食塩溶液(PBS)中で,周期1 Hz,振幅1 mmの伸展刺激を印加した際,三次元構造体の最大張力は約70 mNであることが確認できた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画にあった三次元構造体の作製方法の検討を行ったこと.さらに,力学刺激印加培養システムの作製に前倒して着手し,印加培養まで予備実験を終了する実施することができた.
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今後の研究の推進方策 |
H30年度までに毛細血管を組み込んだ三次元構造体の作製には至らなかった,毛細血管を含む三次元構造体の作製を早急に進め,毛細血管を組み込んだ三次元構造体の作製に努める,また,力学的刺激による組織の機能化にむけて,至適なメカニカルストレスパラメータを探索する.
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