本研究が解決すべき課題は,脈管系の重要な構成要素である大小のリンパ管を生体外で構築し,蠕動・収縮といった複雑で動的な細胞周囲の微小環境を忠実に再現した場の構築である.複数本のマイクロファイバーを集束し,線維構造体を亢進させる三次元組織構造体を提案し,ファイバーコンポーネントが一方向への配向する三次元組織構造体の構築に成功した.また,顕微鏡下CO2インキュベータ内に設置できる伸展・電気刺激印加培養を新たに構築し,セルマイクロファイバーの力学特性を評価した.その結果,ファイバーの最大収縮率は9.1%,約9.1 mm収縮(3 Hz, 2 V印加の場合)を確認した.
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