研究課題
本研究では、ヒトES/iPS細胞からの均一な品質の膵島細胞の大量分化・産生(マスプロダクション)法の開発・技術革新を目的とします。具体的には、我々が開発した簡便で均一なヒトES/iPS細胞を閉鎖系で大量培養可能な新規の3次元スフェア浮遊培養法と、我々が作製した膵前駆細胞特異的な新規の糖鎖マーカー抗体による膵島分化過程の詳細な解析を用いて膵島細胞分化法を検証・最適化します。昨年度に、ヒトES/iPS細胞の拡大培養から分化誘導、膵島細胞作製まで一貫して3次元浮遊培養系で効率よく行う方法を確立できたものの、その膵島細胞では大きさが不均一で、インスリンやグルカゴンの発現もスフェアごとに異なっていたりと改良すべき点が残っていました。そこで本年度はまず、インスリンプロモーター下にレポーターGFPを挿入した遺伝子を導入しすることでインスリン発現をライブ感観察可能のヒトES細胞株とiPS細胞株を作製しました。これらの細胞株を用いて、昨年度に開発した3次元スフェア浮遊培養法を用いた膵島細胞の誘導法の最適化を行いました。ポリマー濃度の最適化や添加物の追加などを検討した結果、均一な大きさで、平面培養や2次元スフェア法に比べて、膵島細胞の成熟マーカー分子の発現も高い膵島スフェアを作製する方法の開発に成功しました。
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Scientific Reports
巻: 9 ページ: 2876
10.1038/s41598-019-38988-8