研究課題/領域番号 |
18K19924
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
片野坂 友紀 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (60432639)
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研究分担者 |
片野坂 公明 中部大学, 生命健康科学部, 准教授 (50335006)
氏原 嘉洋 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80610021)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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キーワード | メカノセンサー / 介在板 / メカニカルストレス / 心筋細胞 / カルシウム |
研究実績の概要 |
これまでの研究から、心筋細胞の『形や機能を変容しながらポンプ機能を維持する』性質は、心筋細胞のメカノセンサーを介したCa2+シグナルに支えられていることが明らかとなってきたが、未だに可視化されていない。本研究では、心筋細胞のメカノセンサーを介して入力するメカニカルシグナルを可視化し、心機能を支えるメカノトランスダクションのトリガーを明らかにしたいと考えている。我々は、メカノセンサー分子を対象としたノックアウトマウスモデルを保持しているので、この細胞を有効に使い研究を進める。 本年度は、マウスの心筋細胞を用いて、メカニカルシグナルに依存したCa2+シグナルを解析した。正常マウスおよびメカノセンサー・ノックアウトマウスの心臓より、心筋細胞を単離し、メカニカルシグナルに依存して上昇する細胞内Ca2+をイメージングした。高速カメラで取得したイメージングデータを比較すること、また、局所的にメカニカルストレスを負荷することにより、メカニカルシグナルに依存したCa2+シグナルの入力場所を解析している最中である。また、メカノセンサー分子の結合分子解析から、機能未知の分子Xを同定した。興味深いことに、この分子Xは、メカノセンサー機能や局在依存的に細胞内局在を変えることが明らかとなった。これらの実験的事実をもとに、メカニカルストレスによって引き起こされるCa2+シグナルとそれによって引き起こされるメカニカルシグナル(細胞内イベント)を明らかにしていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マウスの正常心筋細胞と、メカノセンサー欠損心筋細胞を用いて、メカニカルシグナルに依存したCa2+シグナルを高速カメラで比較した。また、メカノセンサー依存的に細胞内局在を変える転写因子を同定した。これらのことから、メカニカルストレスによって細胞局所でおこったCa2+シグナルが核内へ伝わることを考察できるようになったため。
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今後の研究の推進方策 |
得られた実験結果をもとに、メカニカルストレスによって引き起こされるCa2+シグナルとそれによって引き起こされるメカニカルシグナル(細胞内イベント)を明らかにしていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
目的の抗体作成に時間がかかったために、一部の実験を次年度に計画しなおしたため。 また、新しいマウスの掛け合わせに時間がかかり、一部の実験を次年度に計画しなおしたため。
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