研究課題/領域番号 |
18K19940
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
曽我 公平 東京理科大学, 基礎工学部材料工学科, 教授 (50272399)
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研究分担者 |
大久保 喬平 東京理科大学, 基礎工学部材料工学科, 助教 (20822951)
上村 真生 東京理科大学, 基礎工学部材料工学科, 講師 (80706888)
向後 保雄 東京理科大学, 基礎工学部材料工学科, 教授 (60249935)
井上 遼 東京理科大学, 工学部機械工学科, 講師 (60756295)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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キーワード | OTN近赤外 / 力のイメージング / 高分子 / 変形 |
研究実績の概要 |
生体の力に対する応答の利用は、インプラントの改良や手術後の治療に代表されるヒトの医療診断・治療において重要な役割を果たしている。ひずみゲージ等は信号入出力にリード線を利用するため、生体内での計測には制約が多い。一方で、機械的刺激による可逆的な色の変化を利用したメカノクロミックセンサは、非接触で簡易的かつ低コストで、光学的なひずみ計測を可能とする。これまでに、生体適合性のあるシリコーン系高分子シートに含有したドナー・アクセプターに相当する2種類の有機蛍光色素の相対距離の変化に伴う蛍光強度比の変化によって1次元のひずみの可視化を実証したが、ひずみ計測の2次元への拡張が課題の1つであった。まず、2019年度の研究では、2018年度に問題になっていた近赤外蛍光色素の退色の問題を解決するために、セラミックスナノ蛍光ナノ粒子を併用することにより、セラミックスナノ粒子にリンカーで接続した有機色素からの蛍光においてFRET現象を確認し、近赤外蛍光を示す歪描出蛍光体を作製することができた。また、年度当初の計画に従い、可視を示す2種類の有機色素をドープした医療用高分子であるシリコーンにおいて、その2次元的なひずみ分布の蛍光イメージングデジタル画像相関法(DIC: digital image correlation)を用いた非接触ゆがみ・変位計測および有限要素法 (FEM: finite element method)による変形解析挙動の比較を行った。中心から半径7 mm の円環状に応力集中が発生すると予想され、蛍光強度比分布と大部分が一致した。一方、高分子の厚みの変化を考慮した三次元的な考察の必要性が示唆された。
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