平成30年7月豪雨による災害の総合研究

2018 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 18K19951
• 研究種目: 特別研究促進費
• 配分区分: 基金
• 研究機関: 山口大学
• 研究代表者: 山本 晴彦 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (40263800)
• 研究分担者: 竹見 哲也 京都大学, 防災研究所, 准教授 (10314361) ; 中村 尚 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (10251406) ; 高薮 縁 東京大学, 大気海洋研究所, 教授 (10197212) ; 万田 敦昌 三重大学, 生物資源学研究科, 准教授 (00343343) ; 佐々 浩司 高知大学, 教育研究部自然科学系理工学部門, 教授 (50263968) ; 鈴木 真一 国立研究開発法人防災科学技術研究所, 水・土砂防災研究部門, 主任研究員 (60462503) ; 田中 健路 広島工業大学, 環境学部, 准教授 (30315288) ; 中北 英一 京都大学, 防災研究所, 教授 (70183506) ; 高薮 出 気象庁気象研究所, その他部局等, 研究総務官 (10354507) ; 朝位 孝二 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (70202570) ; 前野 詩朗 岡山大学, 環境生命科学研究科, 教授 (20157150) ; 河原 能久 広島大学, 工学研究科, 教授 (70143823) ; 王 功輝 京都大学, 防災研究所, 准教授 (50372553) ; 安田 浩保 新潟大学, 災害・復興科学研究所, 准教授 (00399354) ; 張 浩 高知大学, 教育研究部自然科学系理工学部門, 准教授 (90452325) ; 門田 章宏 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 准教授 (80294784) ; 海堀 正博 広島大学, 総合科学研究科, 教授 (30183776) ; 土田 孝 広島大学, 工学研究科, 教授 (10344318) ; 竹林 洋史 京都大学, 防災研究所, 准教授 (70325249) ; 松四 雄騎 京都大学, 防災研究所, 准教授 (90596438) ; 森 伸一郎 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 准教授 (10304643) ; 笹原 克夫 高知大学, 教育研究部自然科学系理工学部門, 教授 (90391622) ; 八木 浩司 山形大学, 地域教育文化学部, 教授 (40292403) ; 佐藤 剛 帝京平成大学, 現代ライフ学部, 教授 (00468406) ; 木村 誇 国立研究開発法人防災科学技術研究所, 気象災害軽減イノベーションセンター, 特別研究員 (90758559) ; 畑山 満則 京都大学, 防災研究所, 教授 (10346059) ; 牛山 素行 静岡大学, 防災総合センター, 教授 (80324705) ; 中野 晋 徳島大学, 環境防災研究センター, 教授 (50198157) ; 矢守 克也 京都大学, 防災研究所, 教授 (80231679) ; 田中 貴宏 広島大学, 工学研究科, 教授 (30379490) ; 塚本 俊明 広島工業大学, 工学部, 教授 (10418791) ; 村上 ひとみ 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (10201807)
• 研究協力者: 小坂 優 ; 森 正人 ; 平野 洪賓 ; 山口 弘誠 ; 鈴木 賢士 ; 仲江川 敏之 ; 清野 直子 ; 今田 由紀子 ; 川瀬 宏明 ; 津口 裕茂 ; 長谷川 祐治 ; 山﨑 新太郎 ; 千木良 雅弘 ; 原 忠 ; 髙木 朗義 ; 梶谷 義雄 ; 能島 暢呂 ; 小山 真紀 ; 湯浅 恭史 ; 武藤 裕則 ; 渥美 公秀 ; 竹之内 健介 ; 稲場 圭信
• 研究期間 (年度): 2018-08-17 – 2019-03-31
• キーワード: 気象 / 河川洪水 / 土砂災害 / 防災行動 / 災害史 / 避難 / 浸水 / 土地利用

研究成果の概要

大規模から局地規模までの気象場と線状降水帯について、気象場の特徴と気候変動影響を明らかにした。広島県での被害は土砂と水害の相乗災害であり、岡山県では高梁川と小田川の合流による背水効果、小田川の河道内堆積や堤防の浸透特性を明らかにした。地域活動や要支援者施設では、独自の判断基準を持つことで、被害を防げた事例が報告された。倉敷市真備町は低平地水田の転用面積が1970年～1972年で60haと急増し、住宅購入や建設時に説明を受けた人は4％とごく少数であった。呉市での土砂災害は昭和45年以前に開発された宅地で被害が大きく、戦前もしくは高度経済成長期に開発された山麓部の宅地で特に注意が必要と考えられた。

自由記述の分野

環境防災学

研究成果の学術的意義や社会的意義

水害常襲地における低平地水田や土砂災害警戒区域が指定される以前の山麓部の転用による宅地開発が高度経済成長期に加速し、その後に作成されたハザードマップで示された洪水災害や土砂災害のリスクが高い地域において、人的被害や土石流等による住宅の倒壊、河川堤防の決壊等による浸水被害が発生した。被害の拡大には、開発地域での「新住民」の増加も影響し、避難の遅れが被害の拡大を招く結果となった。今後はハード面の整備と並行して、水害への平時の備え、避難の在り方、災害履歴の伝承、宅地開発の課題等についての再検討が必要であると考えられた。