研究課題/領域番号 |
18KK0005
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
藤井 慎太郎 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (10350365)
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研究分担者 |
DE.VOS PATRICK 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (00242032)
奥 香織 明治大学, 文学部, 専任講師 (30580427)
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研究期間 (年度) |
2018-10-09 – 2022-03-31
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キーワード | フランス演劇 / 公共性 / 演劇史 / 文化政策 / public/private |
研究実績の概要 |
2019年度は、研究代表者・分担者はフランスに赴いて現地調査を実施するとともに、海外共同研究者らとパリで2回の公開研究会を計画した。まず2019年9月13日に、パリ・ナンテール大学で研究会 "Secteur prive service public: les avatars d’un couple notionnel. L’exemple du theatre francais du XVIIIe au XXIe siecle" (民間セクター、公共サービス:対概念のアヴァター、18世紀から21世紀までのフランス演劇における例)を研究代表者・分担者・海外共同研究者ら15名の参加を得て開催した。さらに2020年3月17日に、パリ・ナンテール大学と提携関係にあり、パリ市中心に立地する国立美術史研究所(INHA)において、研究代表者・分担者・海外共同研究者ら12名が参加する研究会 "Scenes publiques, interets prives: L’interpenetration des systemes de production theatrale" (公共の舞台、私的な利益:演劇生産システムの相互浸透)を予定しており、フランスにおける新型コロナウィルスの感染爆発によって、直前まで実施の可能性を探ったものの最終的に中止せざるを得なかった。 そのほか、早稲田大学にて、2019年12月9日に加治屋健司(東京大学教授)を講師に招いて舞台芸術アーカイヴの公共性に関する研究会、2019年12月16日にカレル・ヴァンハーズブルック(ブリュッセル自由大学教授)を講師に招いてフランダース舞台芸術の公的制度に関する研究会を開催した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
パートナー機関であるパリ・ナンテール大学の研究チームとともに、2019年9月、2020年3月の2回の公開研究会を準備することができたものの、後者の研究会については、新型コロナウィルスの感染拡大・爆発を理由として、直前に中止せざるを得なかった。しかし、フランスの学術誌Revue d'Histoire du theatre(演劇史研究誌)が2021年に本プロジェクトの研究成果の一部を特集号のかたちで出版することを提案してくれており、コロナウィルスの感染拡大の今後については不安を残しつつも、おおむね順調に進展していると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウィルスの感染拡大の影響を強く憂慮している。現在、日仏間の移動は事実上不可能となっており、再開の見通しも立たない。フランスにおける現地調査を前提とする本プロジェクトにはきわめて深刻な事態である。最終的に研究期間を1年間年長することも視野に入れながら、感染症に関する事態の今後の推移を見守りながら、慎重にかつ着実に研究を進めていく。2021年にフランスの演劇史協会が発行するRevue d'Histoire du theatre(演劇史研究誌)の特集号のかたちで、本プロジェクトの研究成果の一部を出版することとなっているが、その準備に注力する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年3月の研究会が直前に中止となり、講演謝金に余剰が生じたものである。新型コロナウィルスに関する事態の今後が見通せない現状では、具体的な使用計画を示すことが困難であるが、計画的な費消に努める。
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