研究課題/領域番号 |
18KK0005
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
藤井 慎太郎 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (10350365)
|
研究分担者 |
DE.VOS PATRICK 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (00242032)
奥 香織 明治大学, 文学部, 専任講師 (30580427)
|
研究期間 (年度) |
2018-10-09 – 2022-03-31
|
キーワード | フランス演劇 / 公共性 / 演劇史 / 文化政策 / public/private |
研究実績の概要 |
2020年度には、コロナ禍によって日仏両国間の自由な往来が実質的に不可能になったことから、本研究課題の遂行にあたっても、現地での調査や研究者の招聘、研究会のオンサイト開催が不可能となり、深刻な問題が生じている。そのような状況下で、人の往来を伴わないかたちでの研究計画の遂行を余儀なくされた1年間であった。 そのため研究代表者・分担者は個人研究に重点を置かざるを得なかった。藤井はコロナ禍における舞台芸術の危機的状況とフランス政府による支援策に関して、精力的に調査を行い、成果を発表した。日本文化政策学会『文化政策研究』をはじめ専門媒体に5本の論文を寄稿し、掲載されたほか、ICCPR(国際文化政策学会、英語発表)、日本演劇学会西洋比較演劇研究会、日本ケベック学会などの学会や学術的シンポジウムにおいて4件の発表を行った。奥は2019年11月に明治大学で実施したシンポジウムの報告集『フランス革命とスペクタクル』を編集・刊行したのに続いて、論文集『演劇と音楽』の編著者を森佳子ほかと務め、同書に論文が掲載された(さらにもう1本の論文が間もなく出版予定である)。ドゥ・ヴォスがフランス語に翻訳した前川知大『侵略者の散歩』も、間もなくフランスで出版される予定である。 共同研究としては総じて停滞を強いられているものの、2020年12月にはパリ・ナンテール大学エマニュエル・ヴァロン教授(本研究課題の海外共同研究者)を講師に招聘して、コロナ禍におけるフランス政府の文化政策をめぐる研究会をオンラインで開催した。また、フランス演劇史協会発行『演劇史紀要』において、本研究課題と密接に関連した内容の特集号の刊行の準備が進んでおり、藤井、奥、ドゥ・ヴォスの3人も論考をフランス語で投稿している。現在、全投稿論文を責任編集者(前述のヴァロン教授)が査読している段階で、11月刊行に向けて着実に準備が進んでいる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍によって日仏両国間の往来が実質的に不可能になったことを受けて、研究計画の遂行にあたって、遅れが生じている。
|
今後の研究の推進方策 |
2021年度に自由な往来が再開されるかどうかは現時点では予断を許さない。『演劇史紀要』における特集号の出版(11月刊行予定)を最優先で進めるとともに、感染状況の改善を待って、現地調査の実施、研究集会の開催、フランス側研究者の招聘をなるべく早期に実現すべく、準備を進めたい。
|
次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍で研究計画の実施および予算の執行には停滞(および繰越額)が生じている。コロナ禍の収束の目途が立った時点で速やかに費消を開始するが、期間の延長を申し出る可能性も視野に入れている。
|