研究課題/領域番号 |
18KK0012
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研究機関 | 国立民族学博物館 |
研究代表者 |
菊澤 律子 国立民族学博物館, 人類基礎理論研究部, 准教授 (90272616)
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研究分担者 |
村脇 有吾 京都大学, 情報学研究科, 助教 (70616606)
持橋 大地 統計数理研究所, 数理・推論研究系, 准教授 (80418508)
吉岡 乾 国立民族学博物館, 人類基礎理論研究部, 准教授 (20725345)
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研究期間 (年度) |
2018-10-09 – 2024-03-31
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キーワード | 方言データベース / 地理情報システム / 言語変化と空間 / 言語分布と時間軸 / ジオ・リファレンス / 手書き地図データの電子化 |
研究実績の概要 |
本研究では、フィジー語300方言を対象に、言語の時間的な変化と空間的な伝播との関係を明らかにする手法に関する研究を、そのためのツール開発と併行して 進めている。今年度の成果は以下の通り。 1) 南太平洋大学(フィジー)とマシー大学(ニュージーランド)の研究者との協働により、ブラウザを用いた言語分析用研究ツール、および般公開用のウェブシステムのプロトタイプを完成した。https://svcs-eaglegis.maps.arcgis.com/apps/webappviewer/index.html?id=3f82a75b09e140e3a48a8bffda24d22b 2) 昨年度に作成したフィジー語方言のデータ整備を進め、100語、300地点のデータベースの充実させ、問題点の検証を行った。 3)手書き地図データ約5800語分のジオリファレンス作業を終了した。またジオリファレンス済みのデータをどのように1) のデータベースとの関連付ける手法についての検討し、作業を進める段取りを行った。 4) ニュージーランド・マシー大学で国際シンポジウムおよびワークショップ「Fijian Languages Symposium」を開催した。詳細 https://www.minpaku.ac.jp/research/activity/news/rm/20200131
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
システム開発や論理分析については予定を先取りして進んでいる。ただし、予備分析を進める中でデータの整合性が当初の評価より低く、分析ツールとしての精度をあげるためには追加の言語データが必要であることが判明した。この作業を組み入れて計画を練り直し、2019年度末から2020年度初頭において、フィジーべの渡航も含めて進める計画になっていた。また、手書きマップ読み込み作業を年度末に進める予定で資金を確保していたが、いずれも、コロナの影響で先の見通しがたてにくい状況となっている。
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今後の研究の推進方策 |
データの完成度を上げることで、最終的に分析ツールとしての精度をあげ、実際の研究分析成果を出すことを目標とするが、そのためにはフィジーへの渡航が前提となる作業が大きな位置を占めるので、20年度は渡航条件により柔軟に対応する必要がある。その間、手書きマップ読み込み作業をすすめ、できるだけ終了させたい。また理論面では、これまで同様、統計学的分析を進めるとともに、地理言語学においては、音韻対応表の地図上での処理を可能にする手法に焦点をあてる。
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次年度使用額が生じた理由 |
ジオリファレンスおよび手書き地図読み込み作業のための資金を確保し、その方法をネット会議で進めていたが、詳細についてより直接顔を合わせて検討する方がよい事項がいくつか生じた。1月末ワークショップ開催時に確定し、年度末に終了する予定でいたが、コロナ発生、およびその他の要因が重なり、年度内の発注が困難になった。2020年度内には発注・作業を進める予定である。
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