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2021 年度 実施状況報告書

翻訳から見る近世南アジアの文化多元主義

研究課題

研究課題/領域番号 18KK0013
研究機関東京外国語大学

研究代表者

太田 信宏  東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (40345319)

研究分担者 榊 和良  北海道武蔵女子短期大学, その他部局等, 講師 (00441973)
小倉 智史  東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 准教授 (40768438)
置田 清和  上智大学, 国際教養学部, 准教授 (70708627)
近藤 信彰  東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (90274993)
研究期間 (年度) 2018-10-09 – 2023-03-31
キーワードインド・ペルシア語文学 / 翻訳 / ペルシア語写本 / 近世インド史
研究実績の概要

事業4年度にあたる本年度も、新型コロナ・ウィルス感染症の世界的拡大の中で、研究計画の大幅な見直しを余儀なくされた。当初は、国内の研究分担者、本研究課題が連携するPerso-Indicaプロジェクトのメンバー、並びに、現地の南アジア研究者と共同して、インドの諸地方にある図書館において、各種の近世翻訳・翻案文献に関する調査を実施する予定であった。しかし、それらは全て先送りし、収集できた情報の整理と文献の分析を可能な範囲で進めた。
コルカタ(カリカット)のアジア協会所蔵ペルシア語写本の一部については、研究分担者の小倉智史を中心に分析を行った。分析できた文献は、ムガル帝国宮廷で作成された翻訳文献の写しか、イギリス植民地期に植民地官僚の依頼で編纂された翻訳文献かのいずれかに分類できた。つまり、ベンガル地方王朝で翻訳されたと確定できる作品はなかった。ベンガル地方内でのさらなる写本収集の必要性とともに、ベンガル地方以外の、ペルシア語文化がより浸透したと想定される地域における状況との比較も同時に進めるべきであることが認識された。
研究分担者の小倉智史は2021年9月末から12月末までパリに出張した。パリではフランス国立図書館に所蔵されているペルシア語翻訳文献の写本調査を実施したほか、海外研究協力者のFabrizio Speziale(フランス社会科学高等研究院)とともに、これまでに現地調査で収集した文献の分析を行った。また、ムガル宮廷で作成されたペルシア語翻訳文献の校訂テキスト作成を進めた。これらの文献で採用された翻訳ストラテジーを整理して、今後分析を進める地方王朝の翻訳文献のストラテジーと比較できるようにした。
国内の研究分担者を中心に、報告者を招いた研究会をオンラインで開催し、ムガル帝国・イギリス植民地期における異文化間交渉の諸相について、研究の現状と課題を確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

昨年度に続き、今年度も、新型コロナ・ウィルス感染症拡大の状況を考慮し、文献調査・収集を目的としたインドをはじめとする南アジア各地への出張を取りやめた。本プロジェクトの基幹である、インドを中心とした海外における文献調査と収集を実施できないため、進捗状況は遅れていると言わざるをえない。

今後の研究の推進方策

新型コロナ・ウィルス感染症の拡大・収束の状況や、それに伴う行動制限の推移は、国・地域によってさまざまであり、それらの今後を見通すことは困難であるが、状況が許すならば、これまでに実施できなかったインド各地での文献調査を行う。また、Perso-Indicaプロジェクトとの協働作業を加速化させる。年2回程度、オンラインも活用して研究会、ワークショップを開催し、成果の共有をはかる。

次年度使用額が生じた理由

(理由)新型コロナ・ウィルス感染症の国内外における拡大状況を考慮して、海外への出張をとりやめたため、次年度使用額が生じた。
(使用計画)新型コロナ・ウィルス感染症の今後の推移を見通すことは困難であるが、状況が許す限り、これまでに実施できなかった分を含めて現地調査を拡充して行う。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2022 2021 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件)

  • [国際共同研究] 社会科学高等研究院(フランス)

    • 国名
      フランス
    • 外国機関名
      社会科学高等研究院
  • [雑誌論文] 16・17世紀ペルシア語文化圏における講釈と講釈師2022

    • 著者名/発表者名
      近藤信彰
    • 雑誌名

      オリエント

      巻: 64 ページ: 203-215

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A Genealogy of Divine Paramour: Rupa Gosvami’ Ujjvalanilamani in the History of Sanskrit Dramaturgy and Literary Criticism2022

    • 著者名/発表者名
      Kiyokazu Okita
    • 雑誌名

      Journal of Vaishnava Studies

      巻: 30 ページ: 224-244

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The Theology of the Caitanya Vaisnava Sampradaya: Six Distinctive Features2021

    • 著者名/発表者名
      Kiyokazu Okita
    • 雑誌名

      Journal of Vaishnava Studies

      巻: 29 ページ: 5-24

    • 査読あり
  • [学会発表] Rethinking Hindu-Muslim Relations: A Critical Religion Approach to the Premodern Hagiographies of Caitanya2022

    • 著者名/発表者名
      Kiyokazu Okita
    • 学会等名
      AA研共同利用・共同研究課題「『インド世界』の形成:フロンティア地域を視座として 」2021年度第2回研究会
  • [学会発表] In Search of Unseen Equivalence: Muhammad Shahabadi’s Translation Strategies2021

    • 著者名/発表者名
      Ogura Satoshi
    • 学会等名
      フランス社会科学高等研究院マルセイユ・キャンパスUE237 - Interactions between islamicate and indic societies in South and South-East Asia: comparative perspectives

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公開日: 2022-12-28  

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