研究課題/領域番号 |
18KK0020
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研究機関 | 国文学研究資料館 |
研究代表者 |
加藤 聖文 国文学研究資料館, 研究部, 准教授 (70353414)
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研究分担者 |
麻田 雅文 岩手大学, 人文社会科学部, 准教授 (30626205)
小林 昭菜 多摩大学, 経営情報学部, 専任講師 (20784169)
堀内 暢行 国文学研究資料館, 研究部, プロジェクト研究員 (00795809)
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研究期間 (年度) |
2018-10-09 – 2023-03-31
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キーワード | 日本近現代史 / 日ソ関係 / ソ連史 / 日ソ戦争 / シベリア抑留 / 第二次世界大戦 / アーカイブズ |
研究実績の概要 |
本研究は、日ソ戦争史研究の基盤(日ソ戦争アーカイブズ)構築を目的として2つの目標を設定する。第1の目標は、研究の土台となるロシアに点在する日ソ戦争関係の歴史資料(アーカイブズ)を日露共同で調査・収集を行う。第2の目標は、収集した資料の一部を翻刻して出版(またはテキスト公開)するとともに、独露間の資料共用化プロジェクトを参考に、国際的データベース・ソフトのAtoMを活用して所在情報・収集資料の共用化を図る。 上記2目標に基づき、第4年度はロシア国内での調査収集の拡充を図る予定であったが、新型コロナウィルスの感染拡大が終息せず、ロシアを中心とした海外調査が不可能となった。 また、国内調査も同様の影響によって出張先の機関閉鎖などの支障が生じたため、事実上研究遂行が停止状態であった。結果として、昨年度以上の厳しい環境によって計画の大幅な見直しを行わざるを得なくなり、最終年度の成果取りまとめを断念、研究期間延長を申請し2022年度に計画の建て直しを図らざるをえなくなった。 このようなさまざまな制約下で2021年度は、昨年度と同様に研究成果の発信およびロシア語文献収集および収集資料のデータベース化による基盤構築研究を進めた。とくにチェコ科学アカデミー主催の国際会議にオンラインで参加し、欧米の若手日本研究者と学術交流を深めることが出来、研究の視座を広めることができた。また、数少ない国内調査に関しては、舞鶴引揚記念館および北方領土資料館などでの日ソ関係資料の調査を行った。また、以前、パリ海外宣教師会文書館で収集した文書の翻訳を進め、読売新聞紙上で資料発見が報じられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
第4年度は昨年度に引き続き新型コロナウィルスのロシアでの感染拡大により現地訪問・調査収集が不可能となったため、現地の資料状況を把握することもできなかった。最終年度に研究計画の延長を行ったが、直後にロシアによるウクライナ侵攻が発生し、現状ではロシア渡航が不可能となっている。
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今後の研究の推進方策 |
ロシアでの新型コロナウイルス感染終息の目途が立たないなか、ウクライナ戦争の勃発によりロシア渡航が不可能となっている。研究停止状態が事実上3年目になると実施できる代替措置もほとんど無くなることが確実である。一昨年度から収集資料の翻刻とシステム化に注力することで研究基盤作りを進めたが、新規情報を入手できないためデータ更新もままならない。今年度の研究は、ウクライナ戦争の帰趨次第であって、極めて不確実な状況に置かれているが、これまでの蓄積を基にした学会報告と研究論文の執筆に注力するとともに、アメリカ・モンゴル・フランスなどでの調査を実施することでロシア調査の代替を図る。
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次年度使用額が生じた理由 |
これまで実施できなかったロシア調査を実施。ただし、ウクライナ戦争による渡航困難な場合は代替措置としてアメリカ・モンゴル・フランスでの調査を実施する。
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