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2022 年度 実施状況報告書

ネパールヒマラヤにおける活断層の地震危険度推定と持続可能な防災教育開発

研究課題

研究課題/領域番号 18KK0027
研究機関広島大学

研究代表者

熊原 康博  広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (60379857)

研究分担者 小森 次郎  帝京平成大学, 人文社会学部, 准教授 (10572422)
小山 拓志  大分大学, 教育学部, 准教授 (30553581)
八木 浩司  山形大学, 地域教育文化学部, 名誉教授 (40292403)
佐藤 浩  日本大学, 文理学部, 教授 (60360468)
研究期間 (年度) 2018-10-09 – 2024-03-31
キーワード活断層 / 防災教育 / ヒマラヤ
研究実績の概要

2022年度は,年度後半からネパールへの渡航制限が緩和されてきたことから,6月以降,本研究の主たる目的である自然災害と防災に関する展示会の開催に向けて準備を進めてきた。展示会では,プレート境界断層の剥ぎ取り資料,3Dプリンターによるヒマラヤの地形模型,ネパールの地形や自然災害を示したパネルを展示することを考えている。プレート境界断層の剥ぎ取り資料は,プレート衝突/ヒマラヤの隆起/巨大地震の発生を視覚的に理解できる展示会の中心となる展示物を想定している。
上記の構想に基づいて本年度における具体的な取り組みは以下の5つを行った。①剥ぎ取り薬品の輸出の手続きと受け取り,②プレート境界断層の掘削地点での現地下見,③カウンターパートとの打ち合わせ,④過去の氷河湖決壊の調査,⑤3Dプリンターによるネパール地形モデルの作成である。
①では薬品が危険物にあたるためネパール教育庁等に申請をして輸出の許可を得て,現地で受け取りを行った。②については,以前トレンチ掘削調査を実施した東ネパールのダマク市へでかけて,土地を管理する地域森林委員会の担当者と打ち合わせを行い,土地を利用するための必要な手続きについて伺った。その後,必要な手続きに着手した。③については,どのように今後展示会を進めていくのかについてカトマンズ市において議論を行った。④については,ネパール国中部アンナプルナ南麓マディ川源流域において,氷河および氷河湖の調査を行った。マディ川では氷河湖決壊を起源とされる2003,2004年に洪水が発生したとされることから,現地においてその痕跡を確認した。⑤については,ALOS World 3Dデータを用いてネパールの地形モデルファイルを作成し,3Dプリンターで出力した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コロナ禍の影響で,ネパール渡航が難しく論文執筆に必要なフィールドデータが十分に集めることができず,論文執筆に遅れがでていた。また,ネパールの自然災害に関する展示会の準備も,最終年度である本年度の後半からようやくできるようになった。そのため,研究を一年延長することとした。現在まで,剥ぎ取り薬品をネパールに送ることができ,トレンチ掘削調査地点の利用許可の手続きを進めている状況にある。

今後の研究の推進方策

研究期間を1年間延ばしたことから,2023年度中に論文投稿及び,ネパール国内での自然災害の企画展を実施するべく,優先して取り組むこととする。具体的には,年度前半にトレンチ掘削調査及び剥ぎ取り作成を行い,年度後半に企画展を実施することを計画する。

次年度使用額が生じた理由

2022年度前半もコロナ禍の影響が残り,研究活動をネパールで行うことができなかったため。2023年度は,防災企画展示を行うための,プレート境界剥ぎ取り試料の作成と展示会の実施を行うこと,研究成果の公表を進めることとする。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2022 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件)

  • [国際共同研究] 経済産業省地質鉱山局(ブータン)

    • 国名
      ブータン
    • 外国機関名
      経済産業省地質鉱山局
  • [国際共同研究] トリブバン大学(ネパール)

    • 国名
      ネパール
    • 外国機関名
      トリブバン大学
  • [雑誌論文] Google Earth Project「空から見る日本の地形」の紹介とその特徴2022

    • 著者名/発表者名
      熊原康博・番匠谷省吾・岩佐佳哉
    • 雑誌名

      地理科学

      巻: 77 ページ: 138-145

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] オンライン・ジオ巡検の実践とその効果・課題2022

    • 著者名/発表者名
      小森次郎
    • 雑誌名

      地理科学

      巻: 77 ページ: 146-155

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] SLAM技術を用いた低価格モバイル3Dスキャナーによる地表地震断層の数値表層モデルの作成とその有効性2022

    • 著者名/発表者名
      岩佐佳哉・濱 侃・中田 高・熊原康博・後藤秀昭・山中 蛍
    • 雑誌名

      活断層研究

      巻: 57 ページ: 1-13

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] ブータン南西部のヒマラヤ衝上断層セグメンテーションによる地震シナリオ評価2022

    • 著者名/発表者名
      はお 憲生・熊原 康博・中田 高・Namgay Karma・Drukpa Dowchu・井上 公・藤原 広行・Pagani Marco
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合
  • [学会発表] ブータンヒマラヤの詳細活断層図の作成2022

    • 著者名/発表者名
      中田 高・熊原康博・Karma Namgay・Dowchu Druka
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合
  • [学会発表] Comparison of locations between InSAR-detected phase discontinuity area and sites of landslides triggered by the 22 June 2022 Afghanistan earthquake (M5.9)2022

    • 著者名/発表者名
      HP Sato
    • 学会等名
      American Geophysics Union
    • 国際学会
  • [学会発表] 大分県における特別支援学校の避難訓練と避難行動の現状と課題2022

    • 著者名/発表者名
      小山 拓志・吉仲 未歩
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合
  • [図書] Surface Ruptures Associated with the 2016 Kumamoto Earthquake Sequence in Southwest Japan (Advances in Geological Science)2022

    • 著者名/発表者名
      Kumahara Y, Kaneda H and Tsutsumi H.
    • 総ページ数
      249
    • 出版者
      Springer
    • ISBN
      9789811911491

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公開日: 2023-12-25  

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