研究課題
本研究はSDGsにも記されている「セクシュアル/リプロダクティブ・ヘルス・サービス(Sexual and reproductive health service:SRHS)へのあらゆる人のアクセス」が移民女性にも保障されることを目的とした。研究期間の前半は、アクセスの障壁を明らかにする調査を行い、後半は、移民女性を受け入れる学校や企業、医療従事者や自治体関係者らを対象にセミナーを開催して成果の普及をはかった。主な調査対象は、留学生や技能実習生など家族帯同が認められにくい在留資格者が多いベトナム、ネパール、中国、インドネシア、ミャンマー出身者とした。オンライン調査から「妊娠したら帰国」といった警告を受けた人が一定数いることや、出身国と日本での避妊法の違いなどを学ぶ機会がないことなどが明らかになった。2022年度の上半期、研究代表者は、米国ニューヨーク市でネパール出身女性を対象に日本と同様の項目を用いた調査を行い、日本と異なる条件下でのネパール人女性のSRHSへのアクセスの違いを明らかにした。下半期は、北海道と岐阜県の自治体やJICAなどの後援を得て、現地の市民社会組織とともに「移民女性の妊娠・出産への対応に関する受け入れ担当者のためのセミナー」を開催し、各地での相談事例の共有や支援体制について意見交換を行った。研究代表者と研究分担者だけでなく、現地の女性相談員や労働組合関係者など、各地の協力者とともにセミナーを開催したことで、各地での好事例を発見することができた。また、移民女性が妊娠・出産によって不利益な取り扱いをされることをなくすことだけでなく、日本での予定外の妊娠を減らすために、日本語教師が留学生に教える性教育教材の開発とその試用も行った。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (3件) 備考 (1件) 学会・シンポジウム開催 (1件)
Occasional Papers (Institute of Asian, African, and Middle Eastern Studies, Sophia University)
巻: 36 ページ: 1-76
国際ジェンダー学会誌
巻: 20 ページ: 83-102
移民政策研究
巻: 14 ページ: 108-125
https://ninshinjapan.weebly.com/