研究課題/領域番号 |
18KK0036
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松里 公孝 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 教授 (20240640)
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研究分担者 |
小泉 悠 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任助教 (10817307)
黒木 英充 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (20195580)
大串 敦 慶應義塾大学, 法学部(三田), 准教授 (20431348)
錦田 愛子 慶應義塾大学, 法学部(三田), 准教授 (70451979)
今井 宏平 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 地域研究センター中東研究グループ, 研究員 (70727130)
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研究期間 (年度) |
2018-10-09 – 2022-03-31
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キーワード | シリア内戦 / ドンバス戦争 / ロシア / 軍事 / 中東 / 準軍事組織 / 難民 / トルコ |
研究実績の概要 |
2019年度は、国際学会でのパネル組織と研究発表、それを通じたロシア軍事研究の国際的なコミュニティづくりに力を注いだ。2019年6月29-30日のスラブ・ユーラシア研究東アジア大会にセルビア、ウクライナ、カナダ、トルコから研究者を招いて、①中東・環黒海地域の紛争と広域外交におけるロシアの役割、②ユーゴ戦争、シリア戦争、ドンバス戦争における難民援助の国際比較、③ドンバス戦争とウクライナの内政という3つのパネルを組織した。2019年11月23―26日にサンフランシスコで開催されたASEEES年次大会には、アメリカ、ロシア、フランスの専門家を招いて①ロシアの軍事大国化、②ロシアが用いる準軍事組織を検討する2パネルを組織した。これらのパネルに提出されたペーパーは計16件に及んでおり、すでに論文集が編集できる。本共同研究の残る2年間に、英文論文集出版のための作業を進める。Rowman & Littlefield やRautledge と交渉を開始した。 2020年1月19日に慶応大学で研究打ち合わせおよび研究会を行った。今井がトルコによる北シリア侵攻について報告した。 2018年度に資料集めが完了していた伝記データベース「ウクライナのリージョンの政治指導者」を発表するサイトを立ち上げた。http://www.cspr.org.ua/ 他財源を使ってロシア、レバノン、ウクライナ、トルコ、サハリンなどで現地調査を行った。 全分担者が国内外で活発に研究発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
国際的な研究発表に予想以上の外国人研究者を招くことができ、ネットワークづくりが進んだ。当初からの海外協力者が3か国3人、そのほかフランス、カナダ、セルビアなど計5人の外国研究者がパネリストになってくれた。ロシア軍事研究は比較的新しいジャンルなので、これは意義深い。 他財源を使って活発に現地調査を行った。ウクライナの地方エリートの伝記調査結果を露語・ウクライナ語でインターネット化した。 特に国際的な学会での発表と図書業績の数が多かった。分担者である小泉の単著著作『「帝国」ロシアの地政学』(東京堂出版)が第41回サントリー学芸賞を受賞した。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の後半には新型肺炎も沈静化すると考えられるので、現地調査に力を入れる。当初の研究計画によれば、今年はグルジアおよびグルジアから派生したアブハジア、南オセチアを調査することになっている。 パネルを組織していたICCEES世界大会(モントリオール)が1年延期になったので、国内で国際的な研究集会を組織する。海外協力者の中で、ジョージ・ワシントン大学のヘンリー・ヘイル、ベイルート・アメリカン大学のタラル・ニザメッディンとは具体的な共同研究を開始していないので、彼らとの共同研究につき協議する。 英語論文集の原稿を集め、編集にとりかかる。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型肺炎関連の研究制限のため旅費を完全に消化できず、それに伴って委託研究(謝金)も望む規模では展開できなかったためである。
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