研究課題/領域番号 |
18KK0061
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
田中 京子 名古屋大学, 国際本部, 教授 (60236578)
|
研究分担者 |
落合 一泰 明星大学, 明星教育センター, 教授 (50212337)
ぺディ フランシス 名古屋大学, 国際開発研究科, 准教授 (00722539)
星野 晶成 名古屋大学, 国際本部, 准教授 (40647228)
新見 有紀子 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 講師 (90747396)
|
研究期間 (年度) |
2018-10-09 – 2024-03-31
|
キーワード | 留学成果 / 文化外交 / 日本留学 / メキシコ留学 / 政府交換留学 / 留学による価値観の変化 |
研究実績の概要 |
日本とメキシコ両国において、それぞれのチームで研究発表を複数回行ない、2023年2月にはアメリカ合衆国におけるCIEA の国際学会にて、オンラインで参加し、合同で口頭発表を行った。 日本側では、異文化間教育学会年第43回大会にてアンケート結果の一部を共同発表するとともに、これまでのアンケートおよびオンラインインタビューのデータをまとめて調査報告および研究ノートとして2本執筆して発表した。メキシコ側では、国内およびフランスにおいて調査を発展させて報告をし、結果を分析して論文および著書の執筆を進めた。 各国での進捗については随時、両国研究者がオンラインで打ち合わせをし、2月の国際学会での同発表に繋げた。 日本人のメキシコ留学においては、他地域への留学と比べて特徴ある変化が見られ、その中にはメキシコのみならずラテンアメリカ地域全体に通じる言語や文化の習得、また「人生を楽しむ」というような、ラテンアメリカ文化の特徴として一般的に挙げられるような価値観の影響も含まれている。近年コロナ禍の影響でオンライン留学が盛んになり、それは同時に渡航型留学を問い直す契機にもなっている。これまでの本研究では、メキシコ現地での経験を通しての価値観の変化が大きく、渡航型留学ならではの成果を考察することにもつながった。一方、メキシコ人の日本留学においては、技術習得に加えて、日本文化の特徴と一般的に言われる規律や時間厳守などの価値観の影響がみられる。さらに、プログラム参加後のキャリア支援やフォローアップ制度については課題があることがわかってきた。さらに、異文化間調整力の見地から、組織における調整力と個人の調整力の対比が興味深い課題としてうきあがってきた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度も引き続き新型コロナウイルス感染が収束せず、国際・国内移動が難しい時期が多かったため、当初計画していた毎年の出張や招聘、対面での聞き取り調査などについては、時期を定めることができず、実施できなかった。 アメリカで行われた国際学会には、当初は実地参加を予定して準備をしたが、参加予定者の健康上の都合などでオンラインで参加することとし、共同発表を行った。しかし、今後実際に関係者や専門家との対話を通して考察を深めるという段階が必要である。 また共同研究者が会して、日本とメキシコ両国での分析結果を比較して考察し、分析結果を共著論文にする段階に入ることができなかった。上記の状況は年度当初より、起こりうる可能性として視野に入れており、その場合には研究期間の延長を考えていたため、その方向で進めることとした。
|
今後の研究の推進方策 |
研究期間を2023年まで延長し、最終年は、限定的ではあるがこれまでの成果を報告し、日本側とメキシコ側のデータを比較検討し、さらに全体を分析して研究論文として発表する。 両国の関係機関で日本・メキシコ交換留学プログラムの50期生記念行事が行われる予定のため、それぞれのイベントて研究成果を報告する。 2023年度に出張や招聘が安全にできる状況であれば、国内外での関係学会等で情報収集しながら補足的聞き取り調査を可能な範囲で行い、日程調整ができれば、メキシコ側共同研究者を日本に招聘して、研究会および報告会を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
2022年度に、新型コロナウィルス感染症拡大が収束した場合、日本からメキシコへの渡航およびメキシコから日本への研究者招へいによって研究分析を進め、報告会など行うことをを予定していたが、感染症が引き続き問題となっていたため、実現しなかった。国内での移動や、可能な範囲での国際移動は行いつつ、資料やデータを収集したり分析結果を発表したりした。2023年度は、感染状況が落ち着くと思われるため、メキシコからの研究者招へいによる合同研究会や関係機関訪問、および補足的聞き取り調査や研究会、また両国における留学制度50期生のイベントでの発表など、できる範囲で行う予定である。
|