研究課題/領域番号 |
18KK0073
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
小澤 徹 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (70204196)
|
研究分担者 |
田中 和永 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (20188288)
BEZ NEAL 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (30729843)
内田 俊 大分大学, 理工学部, 講師 (60777986)
湯浅 一哉 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (90339721)
|
研究期間 (年度) |
2018-10-09 – 2023-03-31
|
キーワード | 分散方程式 / 漸近解析 / 調和解析 / 変分解析 / 函数解析 |
研究実績の概要 |
当該年度はCOVID-19の影響により、研究代表者・分担者・協力者がピサ大学および早稲田大学に集まることは叶わず、研究遂行上に大きな支障となった。しかし、このような状況下でもオンライン会議を用いて進捗状況・途中経過・部分的成果等を共有し、活発に意見交換を行うとともに、今後の研究の方向性について検討を重ねることで、一定の成果を得る事ができた。 半線型熱方程式の初期値問題に関しては、昨年度の成果を踏まえ、重みつき L^\infty 空間における時間大域解の存在理論の整備を一層進め、簡単で見易い理論体系にまとめ上げるとともに、先行研究を容易に説明できるようにした。特に、基本解の評価における正値性と重みの果たす役割を分離することによって、時間大域解の存在を簡潔に記述できるようになった。 トーラス上の非線型シュレディンガー方程式に対しては、今までほとんど取り上げられていなかったゲージ不変でない二次の自己相互作用の研究に着手し、一次元トーラスの結果の多次元化を進めている。 量子マスター方程式に関しては、「マクスウェルの悪魔」と呼ばれる現象の新たな定式化に、この方程式の解析が有効であることを見出し、電流制御の視点から理論体系を整備した。 流体の速度場を記述するブリンクマン・フォルシュハイマー方程式系として知られている二重拡散移流方程式系に関しては、3次元および4次元の全空間において、時間周期解の存在を示し、考える領域の有界性の条件が必ずしも本質的でないことを実証する形となった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当該年度はCOVID-19の影響により国外との往来が制限され、7月に開催予定であった国際ワークショップをはじめ、研究集会の中止が相次いだために、直接対面しての活発な意見交換を思うように進める事が出来なかった。
|
今後の研究の推進方策 |
昨年度予定していた、当研究組織と強い連携関係にあるイタリアのバリ大学の研究者を研究協力者に加え、国際共同研究の一層の展開を図る計画であるが、COVID-19の状況次第である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
当該年度はCOVID-19の影響により、国外との往来・国内での移動とも制限があったため、旅費が使用できなかった。2021年度は国内外とも移動が再開する事を想定し、国際ワークショップをはじめとした、直接対面しての活発な意見交換を行う計画である。
|