研究課題
2021年度は、イタリア・グランサッソ国立研究所の地下実験室にて、前年度までに組み上げられた中性子カウンター内に純水が入れられた状態で、PMTのゲイン調整およびレーザー光照射による反射材等のパラメータを含んだ応答の理解、アメリシウム-ベリリウム中性子線源を利用した中性子カウンターのレスポンス測定等が行われた。それらの結果を用いて、各PMTの波形や検出効率の光子入射角度依存性等も考慮して深度化されたシミュレーションコードのチューニングが進められ、TPC本体の応答と合わせて暗黒物質探索に対する感度評価がアップデートされた。TPC本体を安定に運転するため、特に高電圧の調整・液体キセノンの純化・不安定PMTへの対応等を継続的に進めることで、暗黒物質探索サイエンスランのデータ取得が順調に行われ、世界最高感度での探索が進行中である。長期測定において、中性子カウンター反射材の反射率モニターは、中性子検出効率を維持するために重要な役割を果たしている。現在、データ解析が進められており、最初の結果報告に向けての準備がすすめられている。中性子カウンター内にガドリニウム水溶液を導入し純度を保つためのガドリニウム水純化装置の構築・設定が完了し、各部位における温度・抵抗値・密度などの各パラメータをXENONnT本体のモニターシステムにて統合的に監視できる体制についても整備が完了された。ガドリニウム水溶液中の放射性不純物(ウラン系列のラドン222)をモニターするシステムの組込み・アップグレードについての準備も進められた。
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Eur. Phys. J. C 81:337 (2021) pp1-14
巻: C 81:337 ページ: 1-14
10.1140/epjc/s10052-020-08777-z