研究課題
我々はNASAの観測ロケット用いた国際共同実験CIBERにより、既存の銀河進化モデルから推測される全ての銀河からの光の足しあわせでは説明できない銀河系外背景光(EBL, Extragalactic Background Light)の超過を検出した。この観測結果は、この宇宙にはまだ我々の知らない未知の隠された光源の存在を示唆しているため、宇宙の星形成史を理解するために更なる詳細観測が必要である。そこで本研究では、今までのCIBERの技術的蓄積と国際協力をさらに発展させたロケット実験CIBER-2を進め、宇宙の隠された星形成史をEBL観測により探る。本年度は、CIBER-2で使用するロケット搭載宇宙望遠鏡を完成させ、アメリカ合衆国・カリフォルニア工科大学(カルテク)に輸送した。また、津村・佐野ら、本研究の若手研究者がカルテクに交互に長期滞在して実験に参加した。それにより、カルテクで光学系を検出器などと組み合わせ、装置全体を実際に望遠鏡を打ち上げ条件と同じ温度にまで冷却した上で、光を望遠鏡に入れての光学試験を実施し、望遠鏡の光学性能の評価を進める環境を整えることができた。これにより、2019年夏の打ち上げの実現が視野に入るようになった。
2: おおむね順調に進展している
2019年の打ち上げ観測の実現に向け、搭載装置を全て組み上げて、各種実験を行える状態とすることができたため。
光学系の冷却試験、焦点試験、スペクトル試験、迷光調査試験、振動試験、キャリブレーションなど、打ち上げに必要な各種実験をこなし、2019年夏の打ち上げ実現を目指す。
米国に長期滞在する期間とタイミングの都合から、計画と実際に使用した額との間に差が生じてしまっている。2019年度も長期の海外出張が予定されているため、残額は計画的に利用する。
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すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 7件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 2件、 招待講演 4件) 図書 (2件)
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