研究課題
我々はNASAの観測ロケットを用いた国際共同実験CIBER(Cosmic Infrared Background Experiment)により、既存の銀河進化モデルから推測される全ての銀河からの光の足しあわせでは説明できない銀河系外背景光(EBL, Extragalactic Background Light)の超過を検出した。この観測結果は、この宇宙にはまだ我々の知らない未知の隠された光源の存在を示唆しているため、宇宙の星形成史を理解するためにはEBLの更なる詳細な観測により、その超過の原因を探ることが重要である。そこで本研究では、今までのCIBERの技術的蓄積と国際協力をさらに発展させたロケット実験CIBER-2を進め、宇宙の隠された星形成史をEBL観測により探ることを目的としている。従来の予定では2020年度内にロケットの打ち上げ観測を実施する予定であったが、Covid-19により打ち上げが延期となってしまっていた。そのような状況において、日本の研究者達が渡米できない状況が続いたが、米国の研究者とオンライン会議にて議論を重ね、装置の調整を行なった結果、2021年6月7日に無事に打ち上げ観測を実施することができた。この打ち上げにおいて、観測データを取得することができたことに加え、観測装置の回収にも成功した。観測データには想定外の熱放射の混入などが確認されたが、そこから科学的な情報を引き出すために解析を続けている。また、回収した装置には大きな破損はなく、今回明らかになった問題点に対する改修などを行い、2回目の打ち上げ観測に向けて装置のセットアップを行う。
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すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 4件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)
The Astrophysical Journal
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10.1016/j.asr.2021.03.030
https://www.kwansei.ac.jp/news/detail/4346