研究課題/領域番号 |
18KK0096
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分17:地球惑星科学およびその関連分野
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
吉田 孝紀 信州大学, 学術研究院理学系, 教授 (00303446)
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研究分担者 |
河上 哲生 京都大学, 理学研究科, 教授 (70415777)
江島 輝美 信州大学, 学術研究院理学系, 助教 (70712173)
齋藤 武士 信州大学, 学術研究院理学系, 教授 (80402767)
酒井 哲弥 島根大学, 学術研究院環境システム科学系, 教授 (90303809)
森 宏 信州大学, 学術研究院理学系, 助教 (80788183)
中嶋 徹 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 核燃料・バックエンド研究開発部門 東濃地科学センター, 研究職 (60912558)
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研究期間 (年度) |
2018-10-09 – 2024-03-31
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キーワード | ヒマラヤ山脈 / モンスーン / ベンガル深海扇状地 / ブラマプトラ川 / ガンジス川 |
研究成果の概要 |
インド・ネパールにおける前縁盆地堆積物とベンガル海底扇状地での検討から,新第三紀中新世最初期において既にヒマラヤ山脈は砕屑物を大量に生産し,ベンガル湾南部にまで砕屑物が運ばれている.既にブラマプトラ川水系が確立し,現在のインド東部からの砕屑物が供給されていた.しかしこの時期では,高温・多雨の気候下にあった地域は限定されていた. 中新世中期から後期において,ヒマラヤ山脈の浸食・削剥が盛んになされた.ヒマラヤ山脈や大陸内部のテクトニクスによる供給源変化があったが,それ以降も侵食活動は継続された.中新世後期~鮮新世にはモンスーン強化の下で,高温・多雨の気候条件が広く出現したと推定される.
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自由記述の分野 |
地質学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒマラヤ山脈の出現とその削剥は,モンスーン気候の発達をもたらすと同時に,南アジアに大量の土砂をもたらすことで,生物多様性に著しく富んだ生態系を作り上げた.このような南アジアやモンスーンに影響を受ける東アジアの気候環境の成立を考察する上で,ヒマラヤ山脈の形成や土砂を供給した河川系の形成に関わる歴史の解明は重要である.本研究では,ヒマラヤ山脈の上昇量に地域的な差異があり,地域的な降水量や土砂生産量の差が生じていたことを明らかにした.同時に,ヒマラヤ山脈南部に形成された河川系が陸域のテクトニクスや降水量変動を受けながら砕屑物を生産・運搬し,この地域の陸上環境が形成されてきたことが明らかとなった.
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