研究分担者 |
佐藤 友徳 北海道大学, 地球環境科学研究院, 准教授 (10512270)
平田 英隆 立正大学, データサイエンス学部, 専任講師 (30808499)
高橋 暢宏 名古屋大学, 宇宙地球環境研究所, 教授 (60425767)
藤田 耕史 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (80303593)
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研究成果の概要 |
ヒマラヤ高標高域の降水変動とそのメカニズムを解明するため,ネパールヒマラヤ東部・ロールワリン地域に雨量計網(標高1000~5000m)を展開し,2019~2022年の1時間降水量データを取得した.また,衛星搭載降雨レーダ,雲解像モデルおよび大気再解析データを用いた総合的な研究を実施した.高標高域では,降水量に昼間と夜間の1日2回のピークがあり,昼間はヒマラヤ南斜面,夜間はインド半島規模の陸面過程による風系の日変化によることを明らかにした.高標高域に極端降水をもたらすメソスケールの降水システムは,モンスーン低気圧による斜面への水蒸気輸送の増加とヒマラヤ南斜面の加熱により発生することがわかった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒマラヤ山脈の夏季降水は山岳氷河を涵養し,ガンジス川やブラマプトラ川などの大河川の水源となるなど,流域に住む数億人の人々の貴重な水資源となる.本研究は,その夏季降水の基本的な変動である日変化のメカニズムを初めて明らかにした.また,これまでわかっていなかった高標高域の豪雨発生のメカニズムも明らかにした.これらの解明は,南アジアの山岳氷河を含む水文気候の形成・維持過程の理解向上に大きく貢献する.
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