研究課題
本研究では、多元素機能傾斜膜及びナノ微細加工技術を融合させることで、全て特性が異なる1000種類以上のセンサ素子から成り、少数センサの不具合及び素子間のばらつき誤差を劇的に低減可能な‘高堅牢性超多チャンネルセンサアレイ’を創製し、従来原理的に困難であった多成分標的分子群の同時検出・識別機能実証を目的としている。当該年度の研究実績を以下に示す。①多元素機能傾斜膜による超多チャンネルセンサアレイの創製:前年度までに原理実証してきた機能傾斜膜においては、どの素子も分子センシングの電流応答性が全体的に小さく、低濃度の標的分子検出が困難といった課題がある。これに対し、基板-センサ-分子間界面に関する基礎検討を行い、電流応答性向上へ向けた設計指針を構築した。一方、センサ表面への多種多様な分子認識能付与を目的とし、クリック反応を利用した有機分子修飾(SAM)の可能性を検討した。その結果、固体表面では反応基質の立体障害により反応率が制限を受けることを見出すと共に、混合SAM法により反応点密度を制御することで100%の反応率を得ることに成功した。②リアルタイム計測技術及び高堅牢性センシング法の構築:分子センシング時における電気抵抗読み出しの不安定性を高速電子回路の改良により克服し、集積化センサ全素子において安定的な分子センシング機能を実現した。③多成分標的分子群の同時検出へ向けたデータ解析法の構築:多成分標的分子群の同時検出・識別機能の検証へ向けて、100万画素以上のセンサデータマッピング画像をそのままデータセットとして学習させ状態識別・マーカー同定を行う解析法を提案・実証した。④集積化センサデータマップの応用集積化センサアレイにおける応答シグナルの空間分布を利用した臭気方向の同定に成功した。
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すべて 雑誌論文 (10件) (うち国際共著 2件、 査読あり 8件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)
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