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2020 年度 実施状況報告書

都市養蜂による生物多様性に考慮した緑化促進

研究課題

研究課題/領域番号 18KK0121
研究機関千葉大学

研究代表者

永瀬 彩子  千葉大学, 大学院国際学術研究院, 准教授 (80544535)

研究分担者 上原 浩一  千葉大学, 大学院国際学術研究院, 教授 (20221799)
小山 慎一  筑波大学, 芸術系, 教授 (40420913)
三輪 正幸  千葉大学, 環境健康フィールド科学センター, 助教 (40447305)
研究期間 (年度) 2018-10-09 – 2023-03-31
キーワード都市養蜂 / 都市生態系
研究実績の概要

本研究では日本およびカナダの都市において、ミツバチの訪花植物を調査し、それを生かした生物多様性に考慮した持続的な都市緑化の提案を行った。調査地によって大きな差は見られず、草本類が半分以上を占め、ミツバチは多くの外来種から花粉を集めていることが示された。木本では花数が多い街路樹、草本ではクローバーなど雑草が花粉源として利用されていることが分かった。自生種の中では、イロハモミジなど風媒花で、蜜は出さないが、重要な花粉源となるものが含まれていた。ミツバチのための都市緑化では、街路樹の花付きが良くなる剪定の工夫、はらっぱの保全や花粉源となる雑草を残す選択的除草を行うことの重要性が示された。カナダにおいても日本と類似した結果となり、雑草が重要な花粉源となっていることが示された。
また、心理評価では、ミツバチを生物多様性の指標として都市緑化を促進する際に、「養蜂から考える都市緑化」を住民と共有し、合意を形成したうえで計画を実行していくことが望ましい。本研究では、都市養蜂に対する受容度およびはちみつの消費に関するアンケート調査を行った。都市養蜂への受容度と消費者のベネフィット認知・リスク認知・社会考慮・環境意識・食生活への関心に対する関連性を検討した。 都市養蜂のはちみつを消費することと都市養蜂を行う間には関連性があることが示されたので、都市養蜂のはちみつ商品を受け入れることをきっかけに、都市での養蜂を受容することは可能であると考えられる。それに対して、食べることに対するベネフィット認知とリスク認知と受容度の関連性が見られなかった。一方、自分が社会に与える影響を常に考えている人は都市養蜂のはちみつの食べることを受け入れやすい傾向がある。また、都市での養蜂を受け入れやすい人達は、社会や環境に対する意識が高く、都市養蜂全体のベネフィット認知が高い傾向があることが示された(胡,2019)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

緑地調査はGISを用いるなど、当初の計画手法を少しずつ改善し、データの分析などおおむね順調に進展している。しかし、研究計画を発展させて、二ホンミツバチとセイヨウミツバチの訪花植物の違いについて調査を行いたかったが、二ホンミツバチの飼育が難しく、データを十分に収集することができなかった。

今後の研究の推進方策

2021年度は、今まで行った研究を論文にまとめて発表する。また、カナダの花粉分析については、植物の種類だけではなく、花粉と共に存在する微生物についても調査を行い、ミツバチと植物および微生物の関係性について調査を行う。また、セイヨウミツバチと二ホンミツバチの比較は予備実験しか行えなかったため、2021年度は本実験を行う。さらに、2020年度に行った心理評価の研究結果を整理し、被験者を拡大して研究を行う。

次年度使用額が生じた理由

コロナウィルス関連で、海外への渡航や招聘ができなかっため。

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公開日: 2021-12-27  

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